ボードゲーム

『アメンラー』レビュー

国家は滅びどもピラミッドは残る。悠久の歴史を感じさせる渋いゲーム!

目次

ざっくり解説

 ナイル川流域をテーマにした競りゲームです。プレイヤーは15地域ある土地を競りで獲得。そこに農業に投資し稼ぐ・ピラミッドを建設し勝利点を得ることを目指します。

 土地は人数分用意されます。より多額の入札をされた場合、同じ土地への入札は再度できません。この他者の追い出し方式の競りが特徴的なゲームです。

 その年(ラウンド)の取れ高はアメンラー神への捧げものの総量で決まります。この捧げものを盗むことができるのも面白みの1つです。この読み合いも面白いです。

 この流れを6回繰り返します。途中3回目で土地のピラミッド以外を所有権を含めてリセットします。国が滅んでも構造物は残る。そういう歴史を感じさせるゲームです。

プレイ中の様子。前回プレイ時のものです。

土地を競る→買い物をする→神に捧げものをする→収穫を繰り返すゲームだよ。歴史が流れ国が滅んでもピラミッドだけは残るって感じだね!

長所

 追い出し方式の競りが楽しいこと。同じ土地に再入札するには2度追い出されないといけないので、かなり難しいです。後半は追い出しが加速し、かなり面白くなります。

 お金のバランスが絶妙です。余り過ぎず、足りなさすぎずのバランスになっています。後半はインフレの楽しさもほどほどに味わえる絶妙のバランスです。

短所

 ほぼ5人用ゲームなこと。人数別の調整は皆無に近く、登場する土地が減る程度に留まります。総額で決まるアメンラー神への捧げものにすら調整がないのは流石に驚きます。

 お金のやり取りが頻発すること。競りでお買い物で捧げもので収入でと、とにかくお金をやり取りする時間と頻度が多いです。このやり取りが明確にプレイ時間を伸ばしています。

ベストプレイ人数

 5人一択です。人数別の調整は15地域ある土地が、ランダムに3~6地域登場しなくなります。この調整の方法はかなり乱暴かなと思います。

 一番はアメンラー神への捧げものです。全員の総額で決まるのに人数別の調整がないのは、今日ではあり得ないレベルです。なので5人一択感すごいです。

 4人はOKレベルです。85%以上が推奨しており、普通に遊べます。このゲームの4人はそもそも5人を前提に設計されているゲームなので割り切って遊んでくださいな人数です。

ほぼ人数別の調整はなしです。4人が必要最小です。しかし、ゲームは5人前提で作られています。遊ぶなら5人一択だと思います。

個人的な感想

 クニツィアの00年代にちょこちょこリリースされたゲーマーズゲームシリーズの1つです。45~60分のゲームを中心に作る彼が2時間のゲームを作っていた時代の作品です。

 ルールはさほど複雑ではなく、1ラウンド通しでチュートリアルプレイすれば覚えられます。問題は特殊カードの使用タイミングが非直感的なことぐらいです。

 人数こそ強烈に選ぶものの、5人で遊べば普通に面白いですね。クニツィアの調整が光るゲームです。お金のバランスは特に絶妙で面白いです。隠れた良作です。

 プレイ回数は1回。前後半で土地のピラミッド以外のリセットはさほど面白く機能していないなと思いました。その反面・それ以外の要素が十分面白いので問題なかったです。

 カードを買うアクションの博打度が高いのがちょっとアレですが、その他の要素の管理の楽しさは健在です。悪くない出来です。

 長時間ゲームの割にカードのドロー運や、心理的駆け引きの要素が強いのでやや好みが分かれます。クニツィアの長時間ゲームが遊んでみたい人には強くおススメできます。

大佐さん曰く「引き運や駆け引きの要素がやや強いので、計算が大切な他の長時間ゲームにないものがあるかもなゲーム」らしいよ。5人で遊んでね!

優秀なサマリーと再販情報

 このゲームはカードの効果と使用可能タイミングを一度の説明で覚えるのが困難です。なので全員にサマリーシートを用意してあげると非常に優しいです。

 ボドゲーマで非常に優秀なサマリーシートを見つけたので紹介します。さっそく活用させてもらいました。人数分印刷して配ってあげると良いと思います。おススメです!

いいせきさんのアメンラーのリファレンスシート

再販情報

 本作はアレイ・キャット・ゲームズより20周年記念版がリリース予定です。エジプトの神様のフィギュアがついてきてオマケの要素がプラスされるとのこと。

 欲しかったけど手に入らなかった人には朗報ですね。この機会にこの作品に触れてみてください!

画像はアレイ・キャット・ゲームズ公式のものです。神フィギュア付き!
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