完成した都市はまるでミニチュア!傑作都市建設ゲーム!
こんばんは、大佐です。傑作建設ゲームの『ビッグシティ』を紹介したいと思います。
当記事ではこのゲームの魅力とルールを分かりやすく解説しております。是非最後までご覧いただければと思います。
目次
基本情報

タイトル | ビッグシティ |
デザイナー | フランツ・ベノ・デロンジェ |
発売年 | 1999年 |
プレイ人数 | 2~5人(3人ベスト) |
プレイ時間 | 60分 |
流通状態 | 20周年記念版が流通中(22,000円) |
言語依存 | なし |
BGG平均レーティング | 6.9/10点(評価数24000) |
ゲームの概要
プレイヤーは都市の建設に携わります。都市の建設はカードを使って行います。カードには区画番号が描かれており、その区画に何を建てるのかはある程度自由です。
しかし、良い建物を建てるのにはクリアすべき条件があります。それをクリアするには周囲の区画の計画的な建設が必要になります。うまく都市計画を立ててそれを実行に移していくゲームといえます。
内容物の説明
まずはゲームボードです。全8枚、各ボードは独立しており、これを組み合わせることで毎回違うゲームボードが出来上がります。
ボードに振られている区画番号はカードのものと対応します。8区画あるボードと9区画ある都市があります。

次にカードです。これを使って建設します。カードの背中には区画番号の10の桁が記されております。例えば、1のカードには11~19までの番号のものがあります。
カードの背中からある程度の区画番号の範囲が特定できます。手札から相手が何を狙っているのかここから推測しましょう。

次に目玉の建物です。ここではざっくり基本施設(住宅・オフィス)、電車、その他の3種類があるという説明だけに留めます。

これらをボードに配置して都市を建設していきます。何気に建物の種類が色で判別できて機能的なデザインです。
最後に得点ボードと得点記録コマです。これを使って各プレイヤーの得点をカウントしていきます。きっちり100で区切れて100超えのコマが用意してあるあたり、20世紀のゲームなのにかなり現代的です。

ゲームの準備
まずカードを背中の数字別に分けます。それらを裏向きの山札にして、よくシャッフルします。なので全部で8つの山札ができます。

次にプレイヤーは色を1つ選び100点表示コマを受け取ります。これを裏向きにして持ちます。得点記録ボードの0の位置に自分の色のコマを置きます。

次に各プレイヤーに1~5の山札から1枚ずつカードを配ります。手札は非公開情報です。カードの背中から持っている区画をある程度読めるのは仕様です。5人の時のみ6の山札からもカードを1枚配ります。

テーブル中央に10番台(11~19)のボードを置きます。このボードはゲームに登場した扱いです。他の7つのボードはまだ脇においたままです。所定の手続きを踏めば、ゲームに登場させられます。

最後に建物も邪魔にならないところに置きます。これらはまだ誰のモノでもありません。カードを使ってここから取って建設していきます。建物には個数が決まっています。なので早い者勝ちです。
これで前準備は完了です。ゲーム開始時の処理に移ります。

ゲーム開始時のボード配置
次にスタートプレイヤーを適当な方法で決めます。その後スタートプレイヤーから時計回りの順番でボードの初期配置を行います。
やり方はすでに配置されたボードに2区画以上を隣接するように置くだけです。つまり最初は11~19のボードに2区画以上くっつくように置いてください。

各プレイヤーが1つずつボードをこの方法で配置したらゲーム開始です。くっつけるボードは何番からでも良いです。基本的には初期手札を見て悩むので20~59番の範囲で悩むことが多いです。
2人の時のみ交互に1枚ずつ、合計2枚ずつ配置します。2人の時のみ合計2枚配置することにご注意ください。

外周区画と内周区画
これは少しゲーム中に大事な概念なので1項目割くだけの価値があると思います。ゲームボードの全ての区画は外周区画か、内周区画に分類されます。
ざっくり言えばゲームボードの周辺は海だと思ってください。ボード同士の隙間が空いていてもそれは海です。ただし、ボードで囲まれた空間のみ湖と定義します。これは当サイト以外で通用しない表現です。
- ゲームボードの周囲は海です。ボードだけが陸地だとお思いください。
- ボードで囲まれた空白のみ湖です。

この2つを頭に入れた上で進めていきます。
- 海に隣接する区画が外周区画(要は海辺です)
- それ以外が内周区画です。湖の隣は内周区画です。
つまり以下のマップではこうなります。

手番の流れ
ボードの初期配置が終わったらゲーム開始です。プレイヤーは以下の選択肢から1つを選んで行います。
- 建物の建設
- 電車の建設(市役所が建たないと選べません)
- 未配置のボードを配置する(市役所が建たないと選べません)
- カードの交換をする
- パス
ゲーム開始直後は2と3は選べないので主に1か4で悩むことになります。パスはゲーム終盤以外選ぶことはないです。
1.建物の建設
手札のカードを使って行います。建物を建設します。
- 1回で建設できる建物は1つです。
- 区画カードを手札から1~3枚使って行います。
- 区画カードを複数枚使えるのは、ボード上で隣接した番号をまとめて手札に持っている場合のみです。
- 使用済みのカードは捨て札として、1山にまとめます。
- 何を建てるかはプレイヤーが選択可能な範囲で選んで構いません。
- 住宅とオフィスだけは特に制限なく建設できます。
- 複数マス必要な建物は、それだけの隣接した区画カードが必要になります。
- その他の建物は地形・隣接する建物など建設条件があり、それをクリアしないと建てられません。
- ストックにない(売り切れた)建物は建てられません。
建設条件に関しては各建物の解説でお話したいと思います。下図は2マスオフィスを建設する時の例です。

得点計算について
建物を建設したら得点計算が発生します。得点は3つの要素で決まります。
- 建設した建物の種類
- 隣接する工場・公園補正(工場がマイナス、公園がプラス)
- 区画補正(住宅・オフィスのみ)
- 電車・市役所に隣接ボーナス(1つ隣接で2倍、2つ隣接で3倍)
得点計算は「基礎得点+公園・工場補正+区画補正」した後に、「電車・市役所隣接ボーナス」を適用します。
カードを引くときのルール
- 今使った&交換した枚数に等しいだけ、8つの山札から選んで引きます。
- 1つの山札から引ける枚数は2枚までです。
- ない山札からカードは引くことはできません。

2.電車の建設
このアクションは特殊施設である市役所が建設されないと選択できません。まずは市役所が建設しましょう。
- 市役所が建設されて初めて選択可能になります。
- 電車は隣接する建物の得点を2倍にします。
- 一番最初の始点を決めるときには1個しかボードに配置できません。
- 電車は区画同士の間に置いて、建設していきます。空いていない区画の間には建設できません(2マス建設物などで塞がったところは×)。
- 電車には始点と終点が必要になります。枝分かれはできません。また環状(ループ状)に建設することもできません。


結構取り決めは多いです。一筆書きのループ禁止と覚え置けば、ざっくり言って間違いではないです。
3.未配置のボードの配置
このアクションではゲーム開始時に登場しなかったボード2~4個を配置できます。このアクションでも市役所の建設が必要なので、まずは市役所を立てましょう。
- 配置のルールはゲーム開始時と同じです。配置済みボードに対し、2区画以上の隣接が必要です。
- 好きな番号のボードを1つ配置できます。建設できるのは次のターンからです。他人をアシストしないよう気を付けましょう。
新しいボードは鉄道の近くがお勧めです。ただし、妨害建設物には注意。配置直後に飛んできやすいです。
4.カードの交換
このアクションでは不要なカードを交換して、必要なカードに交換します。
- 要らないカードを手札から好きな枚数選び、同じ数字の山札の一番下に戻します。
- 複数枚のカードを同じ山札に戻す時は、好きな順番で戻せます。
- カードを引く時のルールは通常の時と同じです。1つの山札から2枚までしか引けません。

このアクションで手札を回すより、建設して回した方が強いです。あまりやりたくないアクションです。
5.パス
ほぼ間違いなく最よわアクションだと思うパスです。手が悪いなら手札交換するので、それすらしない状況ってなかなか考えにくいです。
ちなみにこれが全員2度続くとゲーム終了です。
長年やっていて、戦略的にパスした人はほとんどいません。ルール上仕方なく選択肢に入った感あります。
各種建物について
本作のゲームの要であり、1項目割いてお話する必要があるのがこの建物です。このゲームでは区画番号カードを持っているというのは、あくまでその区画に対する建設する権利があるというだけです。
持っている区画に何を建てるのかは、ある程度自由です。2つの建築条件(必要マス数、特定の建物と隣接)をクリアしている建物が建設可能です。それぞれ解説していきます。
住宅とオフィス

基本の建物といっていい「住宅」と「オフィス」です。これらに建設条件はなく、どこにでも建てられます。それぞれ1~3マスまでのものがあります。大きなものの方が得点が高いです。
「住宅」は外周(海辺)に建っているとボーナス1点があります。「オフィス」はその逆で内周(海辺でない)がボーナス1点の対象となります。
つまり「住宅」は郊外が好まれ、「オフィス」は町の中心部が好まれるということでしょう。まあまあ雰囲気ありますね。
市役所

本ゲームの最重要な建設物といっていい市役所です。これが建たないと電車は置けないし、ボードは追加できません。
市役所が登場することでアンロック(解禁)される要素は以下の通りです。
- 電車の建設
- 未登場の街ボードを配置可能にする
- 住宅・オフィス以外の特殊施設を建設可能にする
- 公園・市役所の妨害施設が配置可能に
かといって建設条件が厳しいわけでもなく、内周(海辺でない)ならどこにでも建ちます。なので第一手目で建てることも可能ではあります。
得点は0点なうえに、今後建つ隣接する建物の得点を電車と同じく2倍にします。なので考え無しに建築するのはお勧めできません。
おススメは手札の番号を統一してから、そのボードに誘致するやり方です。
次の手はほぼ電車を取られます。市役所と電車は得点を2倍にするので、自分の近くに持ってきたいです。
銀行、郵便局、映画館(要市役所)

この3つは全て共通するところがあります。それは「住宅」と「オフィス」の2つあるいは片方が隣接条件となります。
- 住宅2軒が隣接する必要がある「映画館」
- 住宅とオフィス1件ずつ隣接する必要がある「郵便局」
- オフィス2件が隣接する必要がある「銀行」
それぞれ得点は5点で、電車・市役所補正がかかります。つまり、どちらかと隣接すれば10点、両方隣接すれば15点になります。
教会(要市役所)

難関建築物の1つ。条件は「そのボードの最後の1区画であり、かつゾロ目の区画であること」です。その代わり建設のリターンは大きく、1マスで15点です。強すぎるので市役所と電車の補正がかかりません。
分かりやすく狙うためには、特定の番号のカードを独占してしまう方法があります。こうすれば悠々と教会を建設できます。むろん、皆それを阻止してきます。
空きマスを公園や工場で潰して残り1マスにしても建てられるよ!
百貨店(要市役所)

おそらくゲーム中最難関です。建設条件が「電車、住宅、オフィス、特殊施設(※1)」の4種類に隣接した「2マスの区画」という、針の穴を通すような難易度を誇ります。得点は30点とインパクト絶大です。
説明だけ聞くと難しそうですが3人プレイで初回でいきなり建築できたぐらいには、絶妙な難易度になっています。ベスト人数の3人なら「建たないゲームもありますよ」程度の難易度だと考えています。
※1:市役所、郵便局、銀行、映画館、教会、百貨店が該当します。
妨害用の建設「工場」と「公園」(要市役所)

次は妨害用の建物である「工場」と「公園」です。「工場」はL字と四角形のもの、「公園」は2マスと3マスのものが存在します。
- 山札の2番、4番、6番、8番に眠っています。要は8区画しかない地域の9枚目のカードとして登場する形です。
- 「工場」と「公園」は決まったマスに建てるものではありません。配置制限をクリアしていれば、どの番号の区画にも建てられます。
- この2つの建設物には建てた時の得点がありません(0点)。妨害する形で使用しないと意味がない建物になっています。
- 「公園」は外周区画を1マスまでしか含められません。つまりがっつり海辺に建てることはできません。
- 「工場」は外周区画を2マス含める必要があります。つまり、海辺にしか建たないということです。街中にあってはいけないのでしょう。
公園と工場の得点補正
- この2つの建設物は今後、隣接して建設される「住宅」と「オフィス」の点数を左右します。公園はプラス、工場はマイナスの影響があります。
- 公園に隣接して建設される「住宅・オフィス」は+1点公園補正がかかります。
- 工場に隣接して建設される「住宅・オフィス」はー2点の工場補正がかかります。
- これらの補正は区画補正と同じく、市役所・電車ボーナスの掛け算前に計算します。つまり、掛け算される点数が減ったり増えたりします。
この4つは新しく追加した街ボードに降ってきやすいので要注意です。
おすすめ各建設物の条件と得点表
これについてはとても素晴らしいリストを作成してくれている方がいるのでそちらを引用させていただきます。
https://www.gamers-jp.com/playgame/db_filea.php?game_id=1319
ここの「得点サマリー改良版」というのをご覧ください。かなり見やすく、よくできています。素晴らしいです。
基本的に抑えておきたいルールだけ抜粋しておきます。
- 電車は隣接して建設される建物の点数を2倍にします(百貨店と教会は例外)。
- 市役所も隣接して建設される建物の点数を2倍にします(百貨店と教会は例外)。
- 市役所と電車の両方隣接は3倍です。4倍にはならないのでご注意を。
- 住宅・オフィスは建設された場所が海辺かそうでないかでボーナスがあります。
- 公園は和むので点数増加、工場は煙たいので点数減点と覚えると直感的です。住宅とオフィス以外には無害です。
- 建設時の得点は「建物の基礎得点」を「足し引きする補正」を先に計算して、最後に「市役所・電車」の賭け算ボーナスを適用します。
- 銀行・郵便局・映画館の3つはオフィスと住宅が2:0、1:1、0:2個隣接と覚えると覚えやすいです。
- 3人プレイまでなら百貨店と教会は、難しそうですが全然建ちます。
ゲームの終了条件
ゲームは以下の2つのどちらが発生したら終了します。
- ボードの全てが配置され、全ての区画が建設された時
- 2ラウンドの間、全員がパスまたは手札交換しかしなかった時
このゲームは極端な話、市役所が建設されなければ2の終了条件で終わることになります。ごくたまにあるので覚えておきたいです。
また最後の方になると「これを建設すると相手の得のが大きいな」と思うシチュエーションも結構あります。そういう時は2の終了条件で終わりやすいです。
まとめ
街ボードの配置は各プレイヤーが1つずつです。初期ボードに加え、プレイヤー人数分のボードが登場します。2人の時のみ2つずつ配置します。
内周区画と外周区画(海辺)
- ボード以外は海だと思ってください。
- 海辺のマスは外周区画です。ここでは(海辺)とも表記します。
- その他のマスが内周区画です。
- ボードで囲まれた空間は湖だとお考えください。湖の周辺は内周です。
手番の選択肢
- 建物の建設
- 電車の建設(市役所が建たないと選べません)
- 未配置のボードを配置する(市役所が建たないと選べません)
- カードの交換をする
- パス
1.建物の建設
- 建設は1~3枚のカードを使って行います。
- 使ったカードは捨て札にして一まとめにします。
- 一度の建設で建てられるのは1つの建物だけです。
- ボード上で隣接している区画カードのみ、複数枚まとめて使えます。
- 建築条件をクリアしていれば、基本何でも建てられます。
建築条件
- 住宅・オフィス(1~3マス)どこでも
- 市役所(1マス):内周区画であること
- 銀行(1マス):オフィス2件と隣接
- 郵便局(1マス):オフィス1件、住宅1軒と隣接
- 映画館(1マス):住宅2軒と隣接
- 教会(1マス):そのボードの最終1マスかつ、ゾロ目のマス
- 百貨店(2マス):住宅、オフィス、電車、特殊施設(※1)と隣接
- 公園(2~3マス):外周区画(海辺)1マスまで含めて良い。
- 工場(3~4マス):外周区画(海辺)を2マス含めること
※1:市役所、銀行、郵便局、映画館、教会、百貨店のいずれか
点数早見表
play:gameのComedyさんのものがお勧めです。以下のリンクからダウンロードしてご利用ください。
https://www.gamers-jp.com/playgame/db_filea.php?game_id=1319
2.電車の建設
鉄道は得点を2倍にします。1手番休んで置く価値は十分にあります。
- 市役所が建設後のみ可能となります。
- 区画と区画の間に通すように建設します。
- 最初の1本は好きなところに置けます。ただし最初の1手は1つだけです。
- 既に配置されたものを伸ばす時は最大2個まで置けます。
- 分岐と鉄道同士が交差する(環状)は禁止されています。
- 17個しかないので使い切ったらそこまでです。
- 外周部(海辺)の電車は常に新しいボードと隣接する可能性があります。
3.未配置のボードを配置する
- 市役所が建設後のみ可能となります。
- ゲームに未登場のボードのみが選択可能です。
- 既に配置されたボードに2区画以上隣接させてください。
4.カードの交換をする
- 手札のカードを各山札の底に戻して、カードを引きます。
- 複数枚を同じ山札に戻す時は、好きな順番で戻して構いません。
- 好きな山札から引けますが、1つの山札からは2枚までしか引けません。
- 山札は捨て札を再利用して作りなおすことはありません。
- 全員が2回連続してこれかパスのみしか行わなければ、ゲームは終了します。
5.パス
- ただ何もせずにターンを回すアクションです。
- 全員が2回連続してこれか手札交換のみしか行わなければ、ゲームは終了します。
ゲームの終了
ゲームの終了は以下の2パターンです。
- 全ての街ボードが配置され、全ての区画が建物で埋まること
- 2ラウンド連続で全員がパスか手札交換しか行わなかった時
間違いやすいところ・疑問に思いやすいところ
- 街ボードの配置は2つのボードに1区画ずつの合計2区画隣接でも、おそらく問題ないと思います。
- 市役所は第一手目から問題なく建設できます。やりたければですが。
- 特殊施設、電車、街ボードの追加、妨害施設は市役所が建ってからです!
- 建築済みの工場がボードの追加で、建築条件を満たさなくなってもそれは問題ありません。工場に隣接したいボードがあればの話ですが(笑)。
- 鉄道で分断された2マスに、2マス以上の建設物を上から被せることは不可能です。上手く活用すれば公園・工場を防ぐことも可能です。
- 教会の建設のために、工場と公園は問題なく活用できます。
- 工場と公園は特殊施設ではありません。百貨店を建設する際にご注意ください。
評価と感想
まずは公平に良いところと悪いところを挙げていきます。
- 出来上がった都市がまるで博物館のミニチュア都市みたい!写真映えも抜群!
- 難易度の高い建物の、建築条件と達成感のバランスが絶妙。程よい難易度になっています。
- それぞれの思惑が交錯する都市計画で、他人を出し抜くゲーム性は面白いです。
- 他人のエリアに工場や公園を降らせるのは結構楽しいです(笑)。爆撃している感あります。
- 何気に都市インフラ(電車・市役所)周りが発展しやすいところ。リアルです。
- 建築条件と得点ルールは初回では暗記は難しいです。見やすい一覧表の準備が必須(新版には付属しています)
- ゲームのピークが中盤なこと。終盤は大した建物も建たず、逆転の目はまずありません。
- 実質プレイ推奨人数の狭さ。ほぼ2~3人向けです。
- 自分の行動で誰かが得することがあるので、よく考えて手を打たないと負ける厳しさがあります。
- 豪華版が気軽に買える値段ではないこと。
ベスト人数について
このゲームは綿密な都市計画があってこそ楽しめます。手番の数は人数が増えるほど減るので、少人数の方がより計画的にゲームを遊べます。ベストは3人です。ガッチガチの実力ゲーでも良ければ2人もアリです。
逆に5人は全くダメです。新版では5人は基本セットのみで遊べる人数から削除されたほど不向きな人数です。このことからお察し頂ければと思います。
どんな人におすすめ?
シムシティみたいなゲームというより、自分の建設した建物で相手が得することがあるガッチガチのプレイヤー同士の駆け引きのあるゲームです。
のんびり街づくりというよりも、どうしたら難易度の高い建物を建てられるかを考えるのを楽しむ人向けです。
個人的にはゲーマー向けのエキスパートゲームと考えます。建築条件、得点ルールは一覧表をご用意の上楽しむことを強く推奨します。
個人的な感想
多くの方は本作を『シムシティ』のようなゲームをイメージされるかもしれません。しかしその実態は、多人数で同じ盤面を共有するパズルゲームといった色合いが強いです。
建設パズルゲームとしての出来は素晴らしいです。高難易度の建設物の「教会」と「百貨店」は建設は簡単ではないが、難しすぎることもない絶妙なラインに設定されています。
ゲームの肝が「手持ちの区画カードの得点をいかに最大化するか?」なので、パズル的思考能力の高い人は特に楽しめます。
あと完成後の都市は写真映えします。何気に建物も種類別に色分けされており、機能性も悪くありません。ゲーム慣れした人にはかなり良いゲームだと思います。
推定プレイ回数 | 30回ぐらい |
僕のplay:game点数評価 | 9点/10点(素晴らしい。常にプレイしたい) |
今後の予測変動幅 | 8~10点(オールタイムベストゲームの1つ) |
『ビッグシティ』を買う!
本作は長らく絶版ゲームでした。ヤフオクでも高額ゲームとして8000円~1万円ぐらいで取引されていました。ですがここに来て念願の再販!
しかし、何を間違ったのか豪華になりお値段も2万円に。ボードゲームギークでも豪華版の所有者数が650人程度と少ないことから、豪華版はやや不評だった可能性があります。総重量も重く持ち運びに不便です。
駿河屋でも定価の半値以下になった経験があり、せっかくの再販も方向性を誤ったのではないかと、個人的には思います。
今でも13000円ほどで流通しており、定価の7割程度です。また手ごろな値段で旧版もたくさん流通しています。
旧版か新版かどっち買うべき?
個人的には持ち運びの面で有利な旧版が好みです。新版は重たく、値段も高いので個人的にはイマイチです。しかし、新版は拡張セットに対応しており、新版でないと拡張セット付で遊ぶのは難しいです。
理想としては両方持ちたいところですが、どちらかに絞れと言われれば、旧版一択です。拡張で遊びたくなるほどやり込んでから、新版を買っても遅くないと思います。
旧版は新版の流通のおかげで6000円~7000円とまあまあ手に入りやすい値段で買えます。一時のプレミア価格と比べれば買いだと強く言えます。欲しい人は流通しているうちに押さえたいです。