ボードゲーム

ボードゲームデータサイトの比較

 こんばんは、大佐です。今回は「ボードゲームのデータベースのサイトを3つを比較する」ことをテーマにお話したいと思います。

 当記事では以下の3つを「3大データベースサイト」と表現しています。

  • 業界最大手のデータベースサイト「Board Game Geek」(通称BGG)
  • 国内の注目のデータベースサイト「ボドゲーマ」
  • 国内の古株データベースサイト「play:game」

 今回の記事ではこの「3大データベースサイト」が何に強いサイトなのかをざっくりお話したいと思います。

 当記事を読むことでよりあなたの情報収集の精度が上がることに貢献できると考えています。それでは参りましょう。

目次

ボードゲームのデータベースサイトって何?

 まず最初にデータベースというと小難しい響きですね。ざっくりいうと、「色々なゲームの情報が登録してあって、ゲーム名で検索して調べられる」そういうサイトだと思っておけば概ねOKです。

 まさにボードゲームのデータの基地と言うのに相応しいサイト達です。主に調べられる情報としてはこんな感じになります。

  • 発売年(初版がいつ出たか?)
  • デザイナー名(作った人が誰か?)
  • プレイ人数の幅
  • プレイ時間
  • そのゲームのみんなの評価(これが一番の目的でしょう)

 などなどです。

データベースサイトの目玉情報

 それはずばり以下の2つです。

  1. ユーザーがレビュー・点数評価を投稿したり、見ることができる。
  2. それらのデータを集めて、ランキング化したものを見れる

 特にボードゲームは販売会社が積極的にアピールすることの少ない商品です。特に日本ではマーケティング(販売戦略)はユーザーや小売店に任せているのが現状といえます。

 お店もたくさんのタイトルが発売される中、どれかに注力して販売戦略を練るのは難しいです。となると、ユーザーの口コミが凄まじく重視されている世界といっても過言ではないでしょう。

 つまり、ユーザーの口コミを効率的に見ることのできるサイトである、データベースサイトはそれだけでかなりの強みを持っていることが理解していただけかと思います。

ボードゲームは特にユーザーの口コミが強い業界です。

ボードゲームは「口コミが命」の世界です!データベースサイトはそれらをまとめてくれているサイトと言えます。

各データベースサイトの傾向

 データベースサイトは要するに「ボードゲームの情報まとめサイト」+「効率的に口コミを見れるサイト」ということは理解していただけたかと思います。

 じゃあ、なぜ「3大データベースサイト」に分裂しているのかという疑問が湧いてくるはずです。

 それぞれに強みがあるので住み分けているというのが、僕の仮説です。国内の2サイトもボドゲーマの方が人口的には多いものの、両サイトに強みと弱みがあると考えています。それぞれを解説していきます。

Board Game Geek(BGG)

画像はトップページです。クリックでBGGに飛べます。

 通称BGGやGeekと呼ばれるサイトです。読みは「ボードゲーム・ギーク」ボードゲームの超巨大データベースサイトで、おそらく世界で一番注目されているデータベースサイトです。

どれぐらい凄いのかというと、ボードゲーム会の「wikipedia」ってぐらい情報量が多いです。圧倒的です。

 レビューの投稿ができるだけでなく、様々な要素がユーザーの投票を集計したものを出してくれています。特に「ベストなプレイ人数」を集計してくれる機能は神です。後述するので、これだけでも知って帰ってほしいです!

長所と短所

  • データベースサイトの巨大戦艦。圧倒的な情報量!
  • 神機能「ベストプレイ人数」の集計機能
  • 10点満点の投票を集計し、ランキング化
  • 世界のトレンドゲームが人目で分かるランキング機能
  • 絶版ゲームがごろごろ出品されている(中級者向け)

  • 全て英語なこと
  • 特に我々、日本人には「ゲーム名の検索が英語名を知らないと使えないに等しい」こと
  • 機能が多すぎて初心者お断り感が強い
  • アメリカ人の好みが強く反映されており、長時間のゲームが好まれる傾向にある。

最大の強みランキング機能について

 このランキングはかなり注視されています。英語ができなくても使える機能なので、これとベスト人数の機能抑えておきましょう。

 使い方はBGGのトップページにアクセスして、上のバーの「Browse」をクリックすると下図のようなメニューが出ます。そこで「All Boardgames」をクリックします。

 すると以下のようなランキングページに飛びます。順位、ユーザー投票の平均だけ見れれば、十分かと思います。

BGGのランキングです。1位は『グルームヘイブン』

 ちなみに上位のゲームは総じてルールの複雑なものが多い印象です。そうでないものもあるでしょうが、アメリカ人の好みが強く出ていることを頭に入れた上で見ると良いかと思います。

 ちなみに俗に「重ゲー」と呼ばれる「長時間か複雑なゲーム」と呼ばれるゲームが好きな人達はこのサイトの情報とTwitterで主に情報収集していることが多いのではないかと考えています。

猫さん

長時間ゲームが好きな人、英語が読める人にはパラダイスみたいなサイトです。

購入前に要チェック!ベスト人数投票機能について

 ボードゲームにはプレイ可能な人数があります。商業的な理由からプレイ人数の幅が広い方が有利です。

 なのでゲームの持ち味が生きるかどうかは二の次にして、販売会社はプレイ可能人数を広めに設定していると考えています。

 そのためボードゲームにはプレイ可能ではあるが、ゲームの持ち味がまったく生かされない「アンプレイヤブル(プレイに適さない)な人数」がしばしば存在します。

例えば『ウノ』や『モノポリー』2人で遊んでもあまり面白くないですよね。プレイ可能人数には、そういう人数が存在します!

モノポリーの例

 例えば有名ゲームの『モノポリー』があります。このゲームは2~8人でプレイ可能です。何人が良い人数で、ダメな人数がわかりますか?

ボドゲーマより引用

 一応の答えです。BGGの投票上では4人がベスト、2人は不向き、6人以上は多すぎる。というのが投票上の見解です。このようにボードゲームにはプレイ可能人数の中で良い人数と、悪い人数があるのです。

ベストプレイ人数機能の使い方、見方

 そのゲームにおける良い人数と、悪い人数を一発で知る機能がBGGにはあります。これを知ることで、欲しいゲームを買ったが「普段集まる人数がまったく合わないゲーム」を買うリスクをだいぶ低減できます。

 特に兄弟・夫婦・家族など固定の人数で遊ぶことが多い方に強く知ってもらいたい機能の1つです。

反論くん

『モダンアート』買ったけど、3人(不向きな人数)で遊んでも全然オークションが盛り上がらないぞ!

アイコン名を入力

そういう不幸を防ぐのがこのベスト人数の投票機能です。

使い方

 まずゲームの個別ページにアクセスします。検索するなり、ランキングからアクセスするのが簡単でしょう。

 今回は『オレゴン』というゲームを例に説明します。下記の画像のところをクリックします。

 上記画像のオレンジの丸で囲ったところに、簡易的な結果が表示されています。ベスト人数が存在しないこと(Best:None)と、2~4人どれでも良いこと(Community2-4)が表示されています。

 ここをクリックするとさらに詳細なデータがわかります。

 投票結果を見ると投票結果の詳細な数値がわかります。上図の『オレゴン』の例でいうと「ベストは強いていうなら3人」、「ノット・リコメンド(非推奨)な人数は強いていうなら2人」であることがわかります。

 おおよそ非推奨が20%切っていれば、その人数は問題ないと僕は判断しています。僕がゲームの購買判断によく使う機能の1つです。

ネタバレしますが、レビュー書く時のベスト人数はこれを参考に書いています。

まとめ

 BGGは最強の情報データベースサイトです。難点は、情報の全てが英語です。ランキングはゲーム初心者が参考にするには、あまりお勧めしません。主に気になるゲームの世界的評価を知る時に使うのがお勧めです。

 特にベスト人数の投票機能はマジで神です!ゲームを買う前に是非参考にしてください!

ボドゲーマ

画像はボドゲーマ様のトップページです。クリックでボドゲーマへ行けます。

 ここからは国内のサイトです。最初にご紹介するのは「ボドゲーマ」さんです。このサイトの特に強いところは「通販サイトも兼ねている」ことではないかと思います。

 つまり「ボードゲームの情報収集→気に入ったものを即購入」の一連の流れを完結できるサイトであるということです。もちろん在庫があればの話です。これは間違いなく便利です。

 他にもレビューを投稿するユーザーが獲得したRP(レビュー・ポイント)に応じたランク制度を実装しており、レビュー投稿のモチベーションを高めてくれます。

 それだけではなく、RPを一定以上稼ぐと割引クーポンが貰えるサービスなどがあり、ユーザーにレビュー投稿を促すシステムが充実しています。

長所と短所

  • データベースサイトと通販サイトが合体して、利便性が高いこと
  • レビューランク制度が楽しく、ついレビューを書いてします
  • ある程度レビューポイントを稼ぐと割引サービスが受けられる
  • ランキング機能が一番新規ユーザー向けだと思うこと
  • 特に国産インディーゲームに強い印象があります
  • 点数評価の制度がない
  • ビュー数を稼ぐことが大切なので、心理的にネガティブ評価のレビューの投稿しにくい
  • 通販サイトと連動しているためか、誘惑が多い
  • 国産ゲームに力をだいぶ入れている印象がある
  • 誤った内容のレビューがそこそこあり、それを指摘・訂正してもらうための仕組みや方法がほぼない

レビューランク制度について

 ボドゲーマにおけるレビュアーの注目度を推し量る要素に、レビューランク制度があります。これが高い人ほど、たくさんの投稿やページビュー数を誇っており、より注目度の高いレビュアーという指標になります。

 個人的には3番目に高いランクの「大賢者」までは、そこそこ書いていれば到達は難しくない印象です。

 「仙人」は難易度が高く、継続が必要です。「神」は1000人に1人しか行けないのでかなり頑張らないと到達できません。

 ちなみに高ランクはビューと投稿数さえ稼げばいける側面があるので、信頼度の指標にするのは難しいと考えます。人気度・投稿頻度の指標という評価が一番しっくりくると僕は思います。

ボドゲーマのランキング

 トップ5のみ抜粋します。かなりBGGとは顔ぶれが違うと感じるはずです。

  1. カタンの開拓者
  2. 宝石の煌き
  3. 6ニムト
  4. 犯人は踊る
  5. カルカソンヌ

 特に印象的なのは3位に『6ニムト』が来ているあたりです。短時間のゲームでシンプルなゲームでもランキング上位に来ること、これは他の2つのデータベースサイトの「play:game」でもあまりない傾向といえます。

出典:メビウスゲームズ様

「ボドゲーマ」のランキング上位は3大データベースサイトで一番、初心者に優しいチョイスになっていると個人的には思います。

まとめ

 ボドゲーマは初心者向けかつ、通販サイトと連動した利便性の高いサイトです。難点は誘惑が多く、レビューに厳しいことが書きにくい素地があります。これらの長所・短所を頭に入れて使いましょう。

play:gameデータベース

画像はPlay:gameトップページです。クリックでPlay:gameへ飛べます。

 最後に紹介するのが国内の古参データベースサイトの「play:game」です。こちらはボドゲーマに比べると簡素でスッキリしています。その分、遊び的な要素はなく硬派な見た目のサイトと言えます。

 特色としてはユーザーの点数の投票で様々なスコアが決定する方式です。運や戦略性、テーマ性などが詳細に数値評価されます。総合評価の点数はBGGと同じ10点満点方式を採用しています。

 数値だけの投票も可能なので、ネガティブな評価を付けることもさほど人目を気にしなくて良いのが良いですね。ここはボドゲーマにはない利点です。

長所と短所

  • 特に昔のゲームのレビューが充実している。特に2010年以前のゲームのレビューはこちらに軍配が上がる
  • 余計な要素は一切排除した硬派なデザイン
  • 匿名で点数だけ付けることも可能。ネガティブな評価も心理的に投票しやすい
  • レビューのコメントも短く簡素なものが多く、たくさんのコメントを拾いやすい
  • コメント機能があるので、誤ったルールで遊んだレビューを指摘してくれる
  • 現在の圧倒的な投稿者不足(体感で常連4~5名)
  • 遊び要素が皆無であること、硬派すぎる印象がある。
  • 現在のゲームは評価されていないことはもちろん、登録すらされていないこともしばしばある
  • ランキング機能は一昔前の投票結果感が強い(ある意味での参考にはなる)
  • コンポーネントや値段が高い、ゲームの本質的でない要因でマイナス評価を付けている人も多々いる

ランキングの傾向

左のメニューの統計情報から見られます

 現代目線だと独特ですね。傾向としてはBGGとボドゲーマの中間をいくようなランキングといっていいでしょう。

 ややゲーマー向けなチョイスではあるものの、上位に『ラー』、『アクワイア』、『モダンアート』など1時間で収まるゲームも多くノミネートされています。

 傾向として古参のゲーマーの投票が多いので、長時間ゲームがやや優遇されているなという印象があります。ボドゲーマでも、BGGでも見かけない上位ゲームを探すには向いています。掘り出し物に出会えるかもです。

 ランキングの傾向はややゲーマー向け。現代のランキングでない分、意外な掘り出し物に出会うことも!

大きな欠点:投稿者が圧倒的に不足している

 play:gameの最大の悩みは以下の2つです。

  1. 圧倒的なレビュー執筆者の不足
  2. 現代のゲームは情報登録すらしていないこともたくさんある

 この2つがあってか、ボドゲーマに遅れを取っている印象があります。

 ちなみに僕も投稿しています。コメントは短く簡素でも問題ありませんし、点数評価だけの投票も可能です。レビュー職人が増えることを切に願います。

まとめ

 play:gameデータベースは過去のゲームの名作を探すのに非常に向いています。反面、現代のゲームはボドゲーマの方が向いています。

 両方を目的に合わせて上手く使い分けたいです。play:gameデータベースは知名度も高くはないかもなので、是非この機会に知っておいてもらいたいです!

最終的なまとめ

  • BGG:圧倒的な情報量、たくさんの神機能!ただし全て英語。
  • ボドゲーマ:利便性が最強。レビューの信憑性や、誘惑の多さに難あり。
  • Play:game:古いゲームに強い。圧倒的な投稿者不足が悩み

 こんな感じでしょうか。良いところと悪いところをしっかり頭に入れて使い分けていただけたらと思います。

 データサイトには長所と短所が必ずあります。目的にあったサイトを利用し、より充実したボードゲームライフを送られることを願っています。

おまけパート:3大データベースのアンケート

 かつて3大データベースサイトの影響力を知りたくて一度、Twitter上でアンケートを取ってみました。その結果がこちらです。

 一番はTwitterの口コミ、個人ブログです。これを入れたのはミスでしたね。3大データベースサイトの影響力を知りたかったので、個人的には無かった方がよかったです。

 一番影響力が高いのはBGGですね。ボドゲーマの2倍以上の差をつけてでした。ゲーマーの方が主に参考にしているサイトだと思うので、この投票を行ったではTwitterはかなりゲーマーの方が多いと推論を立てています。

 次いで「ボドゲーマ」です。国内データベースサイトではやはり、ボドゲーマが優勢でした。「play:game」の10倍近いポイント差というあたり、「play:game」データベースの現状の厳しさを物語っています。

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