ボードゲーム

『フリート:漁業船団』最新レビュー

漁船団を漁に繰り出そう!本日も大漁間違いなし!

目次

ざっくり解説

 漁師をテーマにした競りゲームです。漁をするライセンス(許可)をお金で競り落とし、許可を取れた種類の船を出航させて、船長を雇い、魚の入ったトロ箱を稼ぐゲームです。

 ライセンスを競り落としたら、ライセンスと同じ種類の船を出航できます。これもカードとお金がかかります。さらに船は浮かべるだけではダメです。手札を1枚使って船長を雇わないと魚は取れません。船長がいて初めて漁に出られるできるのです。

 競り、船を買う、船長を雇うの3アクションにすべてカードが必要です。手札のカードをどのように分配するのかが大切なリソースの分配に悩むゲームです。

手札のカードが1枚3役で、どの役割に分配するかむずかし~いゲーム。漁船団を海原に繰り出し、魚をがっぽりゲットしよう!

長所

 基本5種の各ライセンスのバランスが良好なこと。いずれのライセンスも独自の強みを持っており、スタートする1枚がゲームの方向性を良い意味で左右します。

 中・長期的計画が大切だけど、ライセンスのめくれ運も大事というゲーム性のバランス感覚の良さ。リスク管理とリソースの管理のバランスの良いゲーム性といえます。

短所

 初見殺しなゲーム性。初回はライセンスを買いすぎたり、種類を分散しなさすぎたりします。この辺の感覚は独特でやり込みを必要とするタイプのゲームといえます。

 ゴーイング・フィッシュ拡張がほぼ必須なこと。ベースゲームのバランスはかなり厳しく、資金繰りに行き詰りやすいです。パス2金貰える拡張はほぼ必須といえます。

ゴーイング・フィッシュは『フリート:アークティック・バウンティ』に付属します。代用コンポーネントでもいいので入れて遊んでください。

ベストプレイ人数

 4人です。競りゲームは人数が多いほどお金の総量が増えます。なので人数が多い方が競りが過熱しやすく面白くなります。また3人は非推奨票0の裏のベスト人数といえます。

 2人はやや賛否こそ分かれるものの、7割の人が良いといっている人数です。ただ競りが住み分けですぐ終了になりやすいです。推奨3~4人。2人はOKぐらいかなと思います。

個人的な感想

 漁船団のオーナーとなり、漁業許可書(ライセンス)を競り船を出航させて魚を取ってこさせるゲームです。日本では埋もれたゲームなんじゃないかと思う一作です。

 ゲームバランスは良好で、いずれのライセンスも強みがあり戦えます。ライセンス間に相性の良いものがあり、コンボを決める楽しさもあります。

 半面、楽しさを味わうにはゲームの理解度がある程度必要です。ゴーイング・フィッシュ拡張(後述します)はほぼ必須というあたりが本作の不遇なところといえます。

 プレイ回数は10回以上。ボードゲームアリーナで遊べます。1プレイは長くないので、ゴーイングフィッシュ有で繰り返し2~3回遊ぶことを強く推奨します。

 基本のライセンスは勝利点よりアドバンテージ(優位性)を稼ぐ側面が強いです。勝つためには船をたくさん出航させたり、プレミアムライセンス(最低入札10)を買わないといけないというあたりも良くできています。

 現状かなり気に入っています。40分程度で楽しめるコンパクトな競りゲームとして、悩ましくシビアです。『ラー』ともちょっと違いますし、なかなか替えの効かないゲームだと思います。

大佐さん曰く「短期・中期の計画のバランスがよく、各ライセンスも強みがあり面白い。気に入ったのであと10回は遊ぶと思います」とのこと。

必須拡張:「ゴーイング・フィッシュ」について

 ざっくりいうと、ライセンスの競りを完全にパスして何も買わなかったプレイヤーは、2金になるカードが1枚もらえるルールです。ルールは以下の通りです。

  • ライセンスの競りの際、何も買わないことを選択すると貰える
  • 競りの際、2金のカードとして使用できる。
  • 船ではないので出航できない。また船長にすることもできない。
  • ゲーム終了時まで使用しなければ2勝利点
こんなカードです。

 資金繰りの厳しい本作には必須です。このカードがないと鼻血が出るぐらいリソース管理が厳しくなります(笑)。

 ただ本拡張を入手するには『フリート:アークティック・バウンティ』という拡張を買う必要があります。絶版なので海外通販はわりと必須です。

拡張セット『アークティック・バウンティ』

 代用コンポーネントで遊ぶのが一番の近道です。気に入ったら本物を探すぐらいで良いと思います。是非入れて遊んでみてください。

 他、アークティック・バウンティには追加の魚カードや、ライセンスカードが追加され、本体をより長く遊べる内容になっています。本作が好きな人は必須拡張なのでマストバイかなと。

 ボードゲームアリーナでは「ゴーイング・フィッシュ」のみ入れて遊ぶことが可能です。なのでボードゲームアリーナでまずは試してみると良いでしょう。

大佐さんは「むしろこれ、「ゴーイング・フィッシュ」前提のゲームバランスですね」と言ってたよ。これなしだとゲームは難しすぎると思う…。

 

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