セールスなんて眼中になし!わが道を行く、多作な天才ミュージシャン!
目次
序文
今回はシンガーソングライターのフランク・ザッパを取り上げた映画『ZAPPA』の公開記念にフランク・ザッパという人について語る内容にしようと思います。
もしこれを見て興味を持っていなかった人が映画『ZAPPA』を見に行ってくれたり、ザッパに興味を持っていただけたら幸いかなと思って書きます。
なので彼がどういう音楽を作ったのか、どういう人なのかをざっくり紹介できる内容を目指して書いていきます。よろしくお願いします。
今回はザッパって人がどんな人で何をしたのかをお話するんだってさ。「映画が気になっている人の参考になれば嬉しい」とのこと。
映画のトレイラー動画
これだけ見て帰ってくれてもこの記事を書いた意味があろうというものです。とにかくどんな人かざっくりわかる内容になっています。
これを見て気になった人だけ続きを読んでくれるのでいいので、とにかくトレイラーを見てください(笑)。
僕とザッパ
出会いは約10年前、2008年ごろでした。たぶん25歳ぐらいですね。昔のロック、中でもプログレッシヴロックと言われるジャンルの音楽の探求にハマっていた時期の話です。
レビューを見ていると「変態」とかザッパの音楽を聴こうとする人に対して「この世に飽きたとか?」とか凄まじい言われよう(注:褒めて言っています)でした。

最初に『ホット・ラッツ』、『シーク・ヤブーティー』を買って、そこからハマってメチャクチャ色々買いましたね。20枚ぐらいはアルバム買って、あと彼の自伝も買いました。
そんなこんなで結構コアなファンの1人かなと思います。今回の映画『ZAPPA』はまだ見ていませんが、5月中には時間を作って見に行く予定です。
まず膨大な作品の数々
まず誰もが最初に口にするのが膨大な作品の数!Wikipediaのディスコグラフィー見るとすさまじい数です。生前にリリースされたメイン・アルバムだけで50枚超えています。

しかも、これでもごく一部。
アルバム『シーク・ヤブーティ』の解説で「この年ザッパは5枚アルバムを出した。しかもそのうち2枚は2枚組」という解説を読んで仰天したのは今でも覚えています(笑)。
凄まじい枚数ですよね。僕が思うに邦楽の一般的なミュージシャンは年に1枚、プラスベスト盤で2枚ぐらいが普通だと僕は思います。5枚(2枚組2つ含む)は尋常じゃないです。
よくザッパの評価に「変態」という言葉が用いられますが、作曲した数は「変態の領域」(もちろん誉め言葉)といって過言ではありません。
どんなジャンルの音楽をやった人?
凄まじいのでWikiからそのまま引用します。
ジャズロック、クロスオーバー、R&B、ドゥーワップ、ブルース、サイケデリック・ロック、ハード・ロック、プログレッシヴ・ロック、ブルース・ロック、フリー・ジャズ、パンク・ロック、ニュー・ウェイヴ、ディスコ、レゲエ。らしいです。
基本的にはギタリストで、ヴォーカルをやることも多いです。作曲も彼がやっているのでシンガーソングライターでもあります。指揮者をやることもありました。

ムチャクチャやってますね。まあ、尋常じゃない曲数なのでそうなりますよね(笑)。
ユニークなコメディーソングたち
ザッパを代表する音楽性の1つに「超絶演奏テクニック」+「皮肉たっぷりの下ネタを交えたコミックソング」を作ることが挙げられます(笑)。
もうね、音楽動画として素晴らしいのはもちろん、面白動画として面白いレベルなので音楽どうこうを抜きにして楽しんでもらえると思います。念のために言っておきますがザッパはドラッグをやらずにこういう曲を作ってます。
■「ボビー・ブラウン」
まずは実在のミュージシャンを死ぬほど馬鹿にしたジョークソングです。「もっと良い仕事を見つけて金持ちになってやる」というフレーズが皮肉たっぷり!しかも、聞きやすい(笑)。
■「ドント・イート・イエロー・スノー」
直訳すると「黄色い雪を食うな!」ですね。翻訳はありません。しかし、歌詞の意味が分かりやすいアニメーション付きです。
エスキモーになる夢をみた主人公が犬がアレした黄色の雪を、ペットをいためつけたエスキモーにお見舞いする歌です(笑)。後半の歌詞の畳みかけとギターの超絶技巧が凄い曲。
真面目な曲はというと?
真面目な曲ももちろんあります。代表曲の1つが「インカ・ローズ」です。マリンバ(木琴みたいなやつ)の音色が快い浮遊感のある一曲です。
■インカ・ローズ
■「ピーチズ・エン・レガリア」
すいません。埋め込みたかったのですが、気に入っているアレンジのものがニコニコにしかありませんでした。これもザッパの代表曲の1つ。
盛り上がりの凄まじいジャズ色の強い曲。朝聞くことが多いです。めちゃくちゃ元気とやる気でます(笑)。バイタリティーあふれる一曲。
https://www.nicovideo.jp/watch/sm587523
検閲との戦い
1985年ごろにロックミュージシャンの過激な内容の歌詞(特に性・暴力・ドラッグなど)にトサカに来た人たちが歌詞の検閲委員会(PMRC)を設立しました。
プリンスやAC/DC、ブラックサバスなどのミュージシャンの曲を「最も不快な曲リスト」に指定し、露骨すぎる内容の歌詞に「そういう内容が含まれますよ」ステッカーを貼ることを要求してきました。
マンガとかでも児童ポルノ法とか似たような事例があるので、この手の表現の自由との規制の争いはどこにでもある問題ということでしょう。
検閲との戦いに矢面に立つザッパ
アメリカ議会での意見公聴会に反対側の参考人としてザッパは自らも矢面に立って、歌詞の検閲に対して反対を表明します。「PMRCの要求はフケを治療するために首を切り落とすのに等しいものです」と発言したことは有名なエピソードの1つです。
またPMRCが貼り付けるよう要求したステッカーをパロディを施してジャケットに採用した『ミーツ・ザ・マザーズ・オブ・プリヴェンション』(旧邦題『ザッパ検閲の母と出会う』)をリリースし、PMRCに真向から挑戦状を叩きつけます。

彼の残した名言
彼の曲の歌詞だけを取り上げると「変なおじさん」以外の側面が見えませんが、本人は極めて仕事に真面目でとても賢い人です。彼の名言をいくつか引用します。
失敗したからと言って狼狽する必要は全然無い。人間の思惑というやつが99%の確率で出遭う必然的な結果が失敗でありごく普通の状態なのだ。
これはメチャクチャ好きですね。新しいことにチャレンジする時に、基本失敗して当たり前だと思って臨むようにしています。おかげで、失敗しても当たり前なのでへこたれませんね。
宇宙には普遍的なものが2つある。水素と愚かさである
これも強烈ですね(笑)。彼の楽曲の歌詞はある種のステレオタイプ的な人をおちょくる内容が多いです。
もしあなたが退屈で惨めな人生を送っている場合、その原因が自分の母親、父親、教会の司祭、テレビに出ている人、とにかくあなたに人生のあれこれを指図する誰かさんの言葉に耳を傾けたことにあるのなら、それは自業自得だ。
誰かの言いなりになった人生などつまらない。そう言いたげなザッパの言葉です。わが道を行った者が言う言葉だけに重みがありますね。
人生で一番大切なことは、ほかの誰かの人生に干渉しないことだ。
確かに。人から干渉されるのって基本あまり気分が良くないものですからね。
少しばかり読み書きができる段階から一向に進歩せず、果てしない物欲をもちつづけ、自分たちの未来を人任せにできるようなアホにとどまっているならば、俺たちは競争力を欠いた無能者集団に堕してゆくだろう。
ううむ。厳しい。精進せねばと思わされる一言ですね。僕は彼の言うような無能者集団には加わりたくないです。
逝去
ザッパはすでに故人です。1993年に前立腺がんでこの世を去りました。53年の生涯でした。人生を音楽に捧げた生涯でした。現代まで生きていたらどんな音楽を披露してくれたのかと思うと非常に悔やまれますね。
おわりに
映画『ZAPPA』が公開された記念に、ザッパを知らなかったけど映画に興味があった人にザッパってこんな人なんだということが伝わる内容を目指して書きました。
もっと詳しく知りたい方は映画を見に行くと良いと思います。彼のアルバムを手に取ってみたいという方に入門は『シーク・ヤブーティ』が個人的には一番おススメですね。
では最後にざっくりまとめます。
- とにかく多作!生前手掛けたメインアルバムは50枚超え!
- 凄い時は1年に5枚アルバムを出して、うち2枚は2枚組!
- 「下ネタ」+「超絶技巧」のコミックソングはザッパの得意ジャンルの1つ(笑)。
- バンドメンバー、本人ともに凄まじいテクニシャン。さらにそれを活かした曲作り。
- 歌詞の検閲と真向から戦った人でもあります。
- 引用した名言からは彼の理知的な部分が垣間見えますね。
以上です。参考になれば嬉しいです。これを見て気になった人は映画『ZAPPA』を見に行きましょう。僕も近いうち見に行きます。