ボードゲーム

『空中庭園』レビュー

優雅で美しいカード配置ゲーム!ユニークな集合の得点方式が面白い!

目次

ざっくり解説

 6マスの空白マスと建物マスが描かれたカードを配置していくゲームです。建物の固まり(集合)を大きくして得点化することを目指します。

 初期カードから拡張していく形でカードを配置していきます。建物部分は必ずすでにカードが置かれているマスの上に配置しないといけません。この配置制限が難しいです。

 3マス以上の集合ができたら神殿を置いて「得点化」しても良いです。しかし、集合を大きくした方が報酬の選択肢が増えます。どこまで集合を大きくするかで悩むゲームです。

 また一度得点化した集合もカードで上書きし、神殿と分断すればそれは別の集合として使えます。このユニークな得点再利用システムが面白いゲームです。

画像はBGGから。4色の建物を固めて配置していきます。

基本的には強めの配置制限の中、建物の集合をどこまで育てるかで悩むゲーム。集合サイズが6を超えると得点タイルが2枚もらえるのも大きい!

長所

 どこまで集合を大きくするかの分かりやすいジレンマ。集合を大きくすれば報酬の選択肢・数が増えます。どこまで育てるのか悩ましいゲーム性です。

 一度得点化した集合を再利用できるゲーム性。神殿と分断する配置にするか、神殿を使い切って新たに神殿を置く場合、既に得点化した集合を使いまわせます。ユニークです。

短所

 配置制限が強烈なこと。庭園は建物がはみ出さないようにしか伸ばせないので、ゲーム通して自由度があまり高くないように思います。

 独特なプレイ性のため思考時間が長くなりがち。上記の配置制限と合わせて、なかなかすぐに良い手を思いつけません。総当たりで探すこともしばしば。待ち時間は長めです。

ベストプレイ人数

 2人です。特に人数別の調整はなく、思考時間も長めです。ターン数が少なくなると、集合をどこまで伸ばすかのジレンマも弱くなります。なので明確な少人数ゲームです。

 人数が多いと長考問題+ターン数は減る+選択肢となる場のカードは激変する(計画性を持って遊びにくい)+同じのを集めると得点のタイルを集めるのも難しくなります。なので4人は最悪な人数と言えます。実質2~3人ゲームだと思います。

ベスト2人の「実質2~3人ゲーム」。とにかく人数が増えるとダメな要素のオンパレードです。2人でじっくり遊びたいゲームです。

個人的な感想

 基本的には強めの配置制限に悩みつつ、集合をどこまで伸ばすか悩むゲームです。特に得点化した集合の再利用システムがなかなかユニークです。

 美しいイラストと安心して遊べるゲーム性と、あまり有名でないデザイナーの方の作品ですが、本作もまた安心と信頼のハンス社のゲームと言えます。

 推定プレイ回数は3回ほど。久々に遊びました。得点タイルの点数の伸び方も粗く、人数別の調整がイマイチなど、粗削りな点もかなり目立ちます。

 一番の不満点は配置制限の強さです。毎ターン総当たりで良い手を探すだけのゲームになっている感が強かったです。引き運の強いゲームといった印象を受けました。

 正直なところ、より優れたゲームが沢山あると思います。ただ、得点化を巡るあたりはなかなか替えが利かないと思います。機会があれば一度は遊んでみ価値あると思います。

大佐さん曰く「アイデアはユニークなんだけど『カスカディア』とかと比べると…となるゲーム。ただ一度は遊んでみても良いと思います」とのこと

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