貴族の見栄の張り合い合戦。お金の使いすぎには要注意!
こんばんは、大佐です。貴族の贅沢合戦をテーマにしたゲーム『ハイソサエティ』を紹介したいと思います。
当記事ではこのゲームの魅力とルールを分かりやすく解説しております。是非最後までご覧いただければと思います。
目次
基本情報

タイトル | ハイソサエティ |
デザイナー | ライナー・クニツィア |
発売年 | 1995年 |
プレイ人数 | 2~7人(4、5人ベスト) |
プレイ時間 | 15~30分 |
流通状態 | 流通中(1,870円) |
言語依存 | なし |
BGG平均レーティング | 7.1/10点(評価数89000) |
ゲームの概要
プレイヤーは19世紀の貴族です。お金持ちアピールをするために、ステータスとなる諸々を競りを通じて手に入れていきます。また、お金持ちゆえの様々な災厄も降りかかってきます。それを避けるのにもお金が必要です。
お金持ちアピールするべく、このゲームでは点数となる「贅沢品」を競って入手します。また「災難」から身を守るためにお金を使います。ただし、お金を一番使いすぎると没落し最下位になります。
要するに贅沢品をできるだけ競り落とし、その上で一番お金を使った人にならないようにする競りゲームです。
内容物の説明
非常にシンプルです。小切手カードと競りの対象物カードの2種類だけです。まず小切手から紹介します。
小切手は1,2,3,4,6,8,10,12,15,20,25の11種類があります。これが人数分用意されています。この11枚セットが各プレイヤーの所持金です。この構成になっているのはきちんと理由があります。

次に競りの対象物カードです。これを大別すると以下の3つに分かれます。
- 持つと点数になる「贅沢品」と2倍カード
- 競り落としてはいけない「災難カード」


災難カードはそれから身を守るためにお金を出し合う形で競ります。
準備
これだけです。この3ステップで準備完了です。
- 各プレイヤーは色を1つ選び11枚の小切手セットを受け取ります。
- 競りの対象物カードを裏向きによく混ぜて、積み上げます(山札)。
- 適当な方法でスタートプレイヤーを決めます。
この圧倒的シンプルさ!すごいです。

ゲームの流れと競りのルール
スタートプレイヤーは山札の一番上を1枚めくります。この1枚が今回の競りの対象物です。これらを小切手を使って競っていきます。競りの入札開始はスタートプレイヤーからです。
競りには普通のオークション形式ですが、ちょっと変わったルールがあります。贅沢品と紋章は以下のルールで競ります。
- 競りの順番はスタートプレイヤーから時計回りに行います。
- 入札するかパスするかの2択です。パスすると競りに復帰できません。
- 入札する時は入札額分の小切手を公開します。小切手あるいはその組み合わせにない金額は入札できません。
- 自分の入札を上乗せする時は、すでに公開した小切手に追加する形でのみ行えます。一度見せた小切手はパスしないと引っ込められません。
- 最後の一人になったらその人が落札者です。公開した小切手を払い、贅沢品を獲得します。公開した小切手でのみ支払いが可能です。
- 小切手の両替はできません。
競りの例
以下競りの例です。スタートプレイヤーが6を入札しました。それにオレンジが10で入札し、緑が12で入札しました。

二巡目、青は6に足す形でしか入札ができません。青はパスを選択し、競りから抜けます。公開した小切手を回収します。
オレンジは公開した10に6の小切手を足して合計16の入札で対抗します。
見栄っ張り貴族なので、一度出した小切手は引っ込められない!そう覚えておけば間違いないです。

これに対し緑も折れてパスしました。オレンジは10と6の2枚の小切手を支払います。小切手を箱に戻し、贅沢品の6を受け取ります。

一番すごいルールは小切手の両替ができないことです。金額よりも枚数を意識して入札するのがコツです!
災難カードの場合
災難カードのみ以下の点のみが普通の競りと違う点です。
災難カードはパスが1人出たらそこで終了です。パスした1人を除いて全員が入札額を支払います。パスした人が災難カードを受け取ります。
要は災難を押し付ける競りを行うわけです。
災難カードの効果
どれもなかなかイヤらしいです。できることなら引き取りたくないです。

- 火事:所有者の勝利点を半分にします。
- スキャンダル:単純に-5点のカードです。
- 盗難:受け取ると贅沢品を1つ処分し、箱に戻します。
盗難カードは贅沢品を持っていない人が受け取った場合、次に贅沢品を競り落とすまで、盗難カードを捨てないでください。次に競り落とした贅沢品と一緒に盗難カードを箱に戻します。
贅沢品がない場合、盗難カードは次に競り落とした贅沢品を捨てるまで居座り続けます。
競りの例(災難カードの例)

げえっ!盗難カード!5の贅沢品は捨てたくない!受け取りたくないんで小切手の10を入札しまーす。
クルーザー(8)を捨てるわけにはいかん!15を1枚入札!
(20ぐらいまで釣り上げておくか)20を入札するッポー!
じゃあ仕方ないんで、10に15を足した25でさらに入札!
絶対にお断りする!20の小切手を足して合計35!
経済力半端ない!マジパない!無理なんで降りまーす(たっぷり絞りとれたぜ!)
上記の例だと猫さんが25、反論くんが35払って、Twitterバード君が盗難カードを受け取ります。
ネガティブカードの競りはパスした人が落札者です。お金は他の全員が支払う必要があります。降りるならたっぷり搾り取りたいですね(笑)。

次の競りを開始する
常に競りの落札者が次のスタートプレイヤーです。時計回りでないことに注意してください。わりと混乱します。
つまりさっきの例だと僕からってワケだね!
ゲームの終了
4枚ある赤枠の競りの対象物が全部めくれると直ちに終了です。つまり赤枠のカード最後の1枚と、山札の残りのカードは誰のものにもなりません!
最短で4枚でゲーム終了ということです。滅多にありませんが(笑)。
親切な方に教えていただいて、修正させていただきました。教えてくださり、ありがとうございました!

ちなみに僕は5枚でゲーム終了を一度だけ体験したことあります。すごい確率だと思います。
没落判定
ゲームが終了すると全員は残り所持金を公開します。小切手の総額を比較して一番低い人は問答無用で最下位です。複数人が該当するなら、全員が最下位です。

盗難カードに35も入れたけど、もしかしてやり過ぎた?
あまりの必然に賭ける言葉もない(笑)
勝敗の決定
没落しなかった人で勝利点を競います。赤枠のカードの2倍と1/2は勝利点を全て足した数字に適用します。最も勝利点の高い人かつ、没落していない人が勝利です。勝利点の計算方式は以下の順で行います。
- 贅沢品の書かれた勝利点を全て足します。
- スキャンダルカードがあれば勝利点から5点を引きます。
- 2倍カードの効果を適用します。複数枚あれば4倍、8倍になります。
- その後1/2カードがあれば、それを適用します。

タイブレーク(同点時の優劣)
版によって違います。2パターンあります。良いと思う方を採用するか、所有のエディションのルールに従うのが良いと思います。
- 残金総額が多い人が勝利(落札効率が良いので)。
- より高い数値の贅沢品を持っている人(必ず決着がつく)
前者は引き分けがあり得ますが、落札効率の良さで決まるので納得感があります。後者は引き分けのリスクがないのが魅力です。
僕個人としては残金総額の多いルールの方が好みですね。
まとめ
- 競りはスタートプレイヤーから入札します。2回目以降は落札者が常にスタートプレイヤーです。
- 入札するか競りから抜けるの2択です。抜けたらその競りには復帰できません。
- 入札は手札から小切手を公開します。公開した小切手の総額が入札額です。
- 2度目以降の入札は、一度目の入札はそのままで小切手を足して入札してください。以降は常に公開した小切手に付け足す形で入札します。
- 災難カードの競りは入札を諦めた人が以外が全員支払います。落札者は入札を諦めた人です。つまり次のスタートプレイヤーです。
終了条件と勝利判定
- 赤い枠のカード4枚を全て競り終えたらゲーム終了です。
- 残った所持金を公開し、最も少ない人が脱落(最下位)です。複数人が該当したら全員脱落します。
- 脱落しなかったプレイヤーの中で勝利点が最も多い人が勝者です。
- 勝利点の計算は以下の順番で行います。
- 贅沢品の書かれた勝利点を全て足します。
- スキャンダルカードがあれば勝利点から5点を引きます。
- 2倍カードの効果を適用します。複数枚あれば4倍、8倍になります。
- その後1/2カードを適用します。
間違いやすいところ・疑問に思いやすいところ
- 競りを開始するのは常に落札者です。時計回りではありません。
- 一度入札した小切手に上乗せする形でしか、追加の入札はできません。
- 小切手の両替は不可能です。つまり同じ小切手を2回落札に使うことはできません。
- 勝利点の計算は、全ての×2の後に1/2を適用します。
評価と感想
まずは公平に良いところと悪いところに触れていきます。
- 競りに明確な相場がなく、最も入札をした人を軸に入札額が決まっていくシステム。
- 小切手の両替が不能で、少額の小切手も大切というゲームバランスの妙。
- 終了タイミングが程よく調整されており、どこで終了するかでゲーム性が毎回結構変わるところ。
- 最少のルールで最大の面白さみたいなゲーム性。全てにおいて無駄がない。
- 参加者次第でゲーム性が大きく変わるところ。
- 競りの相場が集団心理で決まるので、集団心理を読むのが苦手な人にはとことん辛いこと。
- 記憶力が良い人が非常に有利なこと。使用済み小切手の記憶はした方が有利です。
- ルールはシンプルだが、ゲームを楽しむためのスキル面の難易度が高い。難易度は60分ゲーム相当です。
- 一回目の入札を軸にオークションが進むこと。計画的な入札と小切手の使用が求められます。
- 可能性として最小4枚でゲームが終わる可能性があることには賛否が分かれそうなところ。
どんな人におすすめ?
正直、ルールのシンプルさとプレイ時間は短いです。しかし、技術介入度はとても高いです。とにかく小切手の使い方、入札の付け方が難しいです。
なので本作は短時間であるのにも関わらず「本格ゲーム」扱いとしました。ゲーム慣れした人同士で遊ぶのを推奨します。
クニツィアの作品5つぐらい遊んでみて、合うようなら全然問題ないと思います。是非トライしてみてください。むしろ、そういう人には避けて通れない作品の1つです。
おすすめの人数
4~5人がベストです。人数が増えるほどお金の総額が増えるので、入札額がインフレなゲームになります。
Borad Game Geekの投票では3人も8割の人がお勧めしているので、問題ない人数だと思います。お金の総額が少ないのでデフレな競りになりがちですが、楽しめないことはないでしょう。
個人的な感想
クニツィアという作者は競りゲームを多くデザインしており、競りゲームの名デザイナーでもあります。本作『ハイソサエティ』はその中でも代表作級の作品ですので、クニツィア好きは避けて通ることはできないでしょう。
とにかく何もかんも悩ましいです。小切手の配分、使い方、入札の仕方。それに加え、集団心理で決まる入札相場。プラス、ランダムな終了タイミング。全てが常に選択と決断を迫る要素しかありません。
これらを総合すると、ルールは簡単だが非常に難しいゲームといえます。非常に面白いですので、是非慣れた頃合いにはチャレンジしてほしい作品の1つです。現行流通品なので入手は容易な部類です!
推定プレイ回数 | 10回程度 |
僕のplay:game点数評価 | 7点/10点(良いゲーム。大抵プレイしたい) |
今後の予測変動幅 | 6~9点(現状10点はない寄り) |
『ハイソサエティ』を買う!
古いゲームであるのにも関わらず流通中です。25年前のゲームなのに流通しているという実績あるゲームです。在庫があることに感謝したいですね。
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