ボードゲーム

『ヨーヴィック/倉庫の街』レビュー

競りのようなそうでないシステムが面白い、お買い物ゲーム!

目次

ざっくり解説

 色んな効果のあるアイテムを競りのようなシステムで購入するゲームです。買えるものはいろいろあり、それらを上手に買って点数を稼ぐことを目指します。

 5種類の商品をランダムに3つ積載した船や、それらを決まった組み合わせで集めると得点になるお題カード。さらに侵略者から身を守る用心棒みたいなカードもあります。

 それらのカードを列に並ぶような方式でコマを置いて買います。列の一番前から買えます。価格は列に並んでいる人数だけ上がるので、先頭高くつくことが大半です。

 そこで高すぎ・買いたくないなど、購入を諦めた人は列からコマを取り除きます。そして列の次の人に1コマ分の値段が下がり権利が回ってきます。これを繰り返します。

 なのでアイテムを安く買うには、どこに何番目に並ぶかが非常に重要になります。時には高くても買う思い切りも大事。そういうゲームです。

列に並んでお買い物。先頭の人から買えるけど、並んだ人が多いほど値段が高くなります。

列に並んで買い物するゲーム。先に並んだ人が優先だけど、その分値段も高くつきやすい!うまくいくと安くでゲットできるかもなゲームだよ。

長所

 列に並ぶお買い物システムが面白い。先頭の人から買えるけど、値段が高くなります。パスされると後ろの人に値段が下がって権利が回ってきます。ありそうでないゲーム性です。

 買い物を諦めることも重要なゲーム性。何も買わないと収入が増えます。戦略的に我慢するターンを作ることが求められます。資金力でごり押しが通じないともいえます。

短所

 資金がカツカツで借金もなく、プレイ中の資金面での閉塞感が強い。持っている資金でやりくりするしかなく、収入も1金から増えにくく厳しいです。資金面が絡めの調整です。

 スタートプレイヤーが厳しい。他人の出方をうかがえないし、後に並ばれる可能性が非常に高いため厳しいです。むしろ、買い物を諦めて貯蓄のターンになりがちです。

ベストプレイ人数

 4人です。ゲームシステムの都合上ある程度人数が欲しいです。3人だと競り合いがやや緩いですが、人数的には問題ありません(95%以上が推奨)。

 5人もOKです。しかし、人数が増えた分だけ他人の思惑に振り回されるゲームなので、5人は見通しが立ちにくいゲームになるかと思います。人的ランダムが強くなりそうです。

ベスト4人。競り風ゲームなので人数が欲しいです。3~5いずれも良く、5人は人数が多いと見通しが立ちにくいので、嫌いな人は避けましょう。

個人的な感想

 『ブルゴーニュ』や『ノートルダム』などをデザインしたフェルトの競り風お買い物ゲームです。ユニークな買い物システムが面白い、けど資金面が辛口なゲーム性が特徴です。

 参加者全員の考えることを読むのは難しく、他人の思惑に結構振り回されます。また余ったコマで妨害されることも多く、欲しいものを安くで買えることは結構稀です。

 なので、総じて辛めのゲームバランスのゲーマー向けのゲームかと思います。インタラクション(駆け引き)強めそういうのが好みな人が遊ぶと良いでしょう。

 推定プレイ回数は3回ほど。3人、4人で遊びました。まあまあ用心棒(消防士)ゲー感ありますね。そこはきちんと説明してプレイされることを強く推奨します。

 ちょっと資金面のカツカツさがゲーム全体の閉そく感を強めているかと思います。うち回しの幅も広くない気がします。もうちょい緩いゲームが好みですね。

 我慢することが大切な競りなら『タージマハル』、『ラー』の方が好きですね。とはいえフェルトが好き、競り&競り風システムが好きな人にはお勧めできるタイトルです。佳作。

大佐さん曰く「資金面の辛さで人を選ぶところがある。とはいえ買い物システムはユニークで比較的替えが効かないゲーム。佳作」とのこと。

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