目次
序文
前回の記事の『クニツィアの入門作品6選』を書いた時に、これがヒットしたら隠れた名作編を書くと言って、まさかの大ヒット記事になりました。
自分の中でTwitter上のリアクションとして過去に書いた『ボードゲーム流行を追わないメリット5選』を超えて、最高記録となりました。ありがとうございます。
今回は約束通り、クニツィアの隠れた名作5つを紹介します。これを読むとマニア以外が見落としがちなクニツィア作品を知る機会になると思います。よろしくお願いします。
結論:クニツィアの隠れた名作5選
今回紹介するゲームは以下の5タイトルです。
- 『カルカソンヌ:城』
- 『ビッグファイブ』
- 『多重塔』
- 『バベルの塔』
- 『ブルームーン』
たぶん、全部知っていたら僕かけがわさん(※1)というレベルのラインナップになったかなと思います(笑)。まあ、これは冗談です。それでは本編に参りましょう。
※1:日本一のクニツィアマニアの方。クニツィア好きは彼のブログは要チェックです。
カルカソンヌ:城

一言でいうとクニツィアの2人用に特化した『カルカソンヌ』です。『カルカソンヌ』の説明は割愛させていただくとして、ルールはほぼまんまです。
ただゲーム性が全然違います。特にタイル配置の自由度が各段に違います。建物は完成させようとしてタイルを置いていかないと、どんどん広がっていつまでも完成しません。
また特定スコアにぴったり到達すると、強力な効果を持つ特殊タイルが貰えます。これ目当てに、小さく建物を完成させることも重要になります。
ルールはそのまんまだけど、以上2点が大きく違う点です。なので本家と比べるとゲーム性は全然違うと思います。僕は30回ぐらいは遊びました。
ルールはカルカソンヌなんだけど、ほどよくクニツィアらしいところがあるゲーム。タイル配置の自由度が凄まじいよ。
ビッグファイブ

通称クニツィアの『クワークル』こと『ビッグファイブ』です。絵柄同じで色違いか、絵柄違いの色同じのどちらかで列を作るようにカードを出すゲームです。
秀逸なのが本家ではちまちまスコア計算が発生したのに対し、こちらでは自分の山札・手札を早く使い切ると勝ちと、スコア計算の手間を簡略化したことです。素晴らしい。
ちょっと噛み合いゲーかなと思いながらも、手札回しのセンスが問われるゲームに仕上がっています。体感6:4ぐらいで実力者が勝てるかなと思うゲームです。
残念なのは流通量の少なさです。たぶん本国より日本で流通した説があるぐらい、絶版で海外に在庫がありません。ほぼ日本国内の出物待ちといった状態です。
自分も駿河屋のプレミア価格の中古を買った記憶があります(笑)。良いゲームなのに出回っていない希少な作品。
スコアリングを超簡略化した『クワークル』。手札回しの重要性があがっていて、同じルールなのにプレイ感は別物。入手が困難なのがネックかな。
多重塔

禅僧になって多重塔を建てていくゲーム。ざっくり言えば『交易王』の読み合い要素は控えめになって、パワーアップの楽しさが強化されたイメージのゲームです。
一番ユニークなのは袋から塔のパーツを引くゲーム性ですね。今建てたい階層を手触りで袋から引いて当てるゲーム性はなかなかないです。色だけは運ゲーになりますが、そこは確率計算がしやすくなっています。
ちょっとパターン化しやすそうに思うのが難点ですね。ただ袋から塔のパーツを引くというゲーム性はなかなか替えが利かないと思い評価しています。
何気に映えるゲームでもあるので一度はプレイする価値があると思います。たぶん、まだ流通しているはずです。
読み合いを控えめにして、パワーアップの楽しさを上げた『交易王』みたいなゲーム。たぶん、本記事の中で一番手に入れやすいゲームかな。
バベルの塔

たぶん最強に変態なクニツィアゲーム。かつ最も賛否が分かれる作品です。七不思議を建設し、その利益の分配をテーマにしたエリアマジョリティーゲームです。
七不思議の建設にどれだけ協力できるのか、出せるカードを全員で一斉公開します。この時に誰に協力してもらうのかを手番プレイヤーが選びます。
で、協力を拒否されたプレイヤーは提示したカード枚数分だけの得点を得ます。協力を承認したプレイヤーと、自分が足りない分を追加出し、マジョリティ用のコマを置きます。
この時点でもう大分変態なのですが、さらにマジョリティー用のコマをあなたにあげるのでセットコレクション要素のあるボーナスチップを貰いたいという提案もできます。
とにかく他に類を見ないゲーム度でぶっちぎっています。絶版だけど流通在庫はさほど高くないと思います。マニアなら絶対持っておきたいゲームです。
ゲームで主役を行けそうな要素3つぐらいを一緒にしていい感じにゲームにしました!なゲーム。コツが分かりにくいことこの上かないかも…。
余談:本作の特殊カードについて
けがわさん曰く、「特殊カードはクニツィアのオリジナルではない」とのこと。どこで調べたんだか(誉め言葉)。なので入れずに遊ぶことを推奨します。
ただ出版社もこのゲームがそれでは難しいからと特殊カードを調整として入れたと考えています。抜くと難易度が跳ね上がるので一長一短ですね。しかし、それでも自分は入れない派です。
ブルームーン

最後に2人用ゲームの『ブルームーン』です。クニツィアなのに特殊テキストカードが満載で、これもまたクニツィア的にはなかなか類を見ないゲームといえます。
全部で9種族あり、それぞれ個性付けがしっかりされています。バランスは後から追加された「ブカ」だけはブッ飛んでますが、他はまあまあバランスが良いと思います。
基本は数字比べで相手を上手く降ろすのが大事なポーカーのようなゲーム性のゲームです。そこに特殊カードの補助がもりもりあります(笑)。
このゲームの凄いところは『マジック・ザ・ギャザリング(MTG)』や『遊戯王』などで禁止や伝説級のカードが惜しみなく使えるところです。
特にインパクトがあるのはホアックス族の「5枚ドロー」、テラ族の「相手のキャラクター全破壊」、キンド族の「好きなカード1枚手札にサーチ」でしょう。凄いパワーです。
どれもハイパー壊れカード級のパワーがありながら、ゲームは壊れていません。この辺のバランス調整は本家『MTG』より上手い説あります。凄いゲームです。
勝つにしても負けるにしても効率よくが大事なゲーム。テキストカードのパワーが凄いのにゲームは壊れてないのが凄い!(ブカは賛否両論だけど)。
今から買うなら『ブルームーンレジェンド』一択!
『ブルームーン』は2種族以外はバラ売りの版と、全種族+2拡張をまとめ売りした『レジェンド』があり、今から買うならレジェンドがおススメです。
オリジナル版はただ要日本語化なのもあって、初心者にはおススメしにくいですね。大判イラストなのは魅力的なんですけどね。
おわりに
今回はクニツィアの隠れた名作を紹介しました。特に『カルカソンヌ:城』、『ビッグファイブ』、『ブルームーン』は明確に比較対象となるゲームあり、見落とされやすいゲームかと思います。
『バベルの塔』はクニツィアマニアでコアゲーマーぐらいの人向けです。ゲームのコツがわかるまで5プレイぐらいはかかると思います。『多重塔』は今でも流通しているゲームなので、もっとプレイされてほしいゲームです。
なかなかコアなタイトルを紹介できたと思います。この5作品全てプレイした暁には、間違いなく僕よりクニツィアマニアになれるでしょう(笑)。
以上です。読んで下さり、ありがとうございました。