「勝つのは智略走り、人出し抜けるもの!」なゲーム。早く正確な予想が大切!
こんばんは、大佐です。本日紹介するゲームは名作ギャンブルゲームの『メンバーズオンリー』です。
当記事では、このゲームとルールの魅力を分かりやすく解説しております。是非最後までご覧いただければと思います。では参りましょう!
目次
基本情報

タイトル | メンバーズオンリー |
デザイナー | ライナー・クニツィア |
発売年 | 1996年 |
プレイ人数 | 3~5人(ベスト4人) |
プレイ時間 | 60分 |
流通状態 | 流通中(3,300円) |
言語依存 | なし |
BGG平均レーティング | 6.6点/10点(評価数600) |
ゲームの概要
プレイヤーは英国のギャンブルの会員制クラブへの入会試験として、入会希望者の中でこれから起こる出来事の回数を予想する能力を競います。
それをゲーム上では5種類のカードが何枚場に出されるのかを予想するという形に落とし込んでいます。
このゲームでは、待てば待つほど情報が明らかになっていきます。精度高く予想するにはただ待てばよいです。しかし、予想は早くした人が有利です。このため、早く正確な予想が大切なゲームになっています。
待てば待つほど、情報が明らかになります。しかし、良い予想は早い者勝ちなのです!
内容物の説明
とてもシンプルです。ボードとカード、それからチップに得点用マーカーこれだけです。60分クラスのゲームなのに、あり得ないぐらいシンプルな内容物といえます。
カード
まずはカードです5種類あり、それぞれが「発生回数を予想するべき出来事」です。加えて、-1枚扱いに相当する「NO!カード」が各種2枚ずつ存在します。

チップ
次にチップです。主に3種類あります。

- 普通のチップ:通常の賭けに用いる一般的なチップ
- 2倍チップ:当たると点数が2倍の使いどころが大切なチップ
- リスクチップ:情報ほぼなしの時に使えるチップ、こちらも点数2倍!
これをぞれぞれのプレイヤーが持ちます。予想をするのに使い、外れると没収です。一定枚数没収されるとまた返還され、使用可能になります。
特に2倍チップをどう使うかはかなり重要なポイントになります。上手に使いたいです。
ボード説明
次にボードです。新版では得点用ボードとゲームボードに分裂しています。僕所有の旧版ではこれが一体になっています。
ボードには賭ける場所、得点記録スペースに分かれています。この得点記録スペースは後で解説します。
賭けスペースは大きく分けて、「5~8の以上エリア」と「1~4の以下エリア」に分かれます。それぞれ下記の通りです。

準備
まずボードを広げます。そして自分の色のチップセットとリスクチップ(白チップ)を1枚受け取ります。
4枚の通常チップと、1枚の2倍チップ、そしてリスクチップ(白チップ)が1枚の計6枚セットを受け取ります。
次にカードをシャッフルします。よく混ぜて、全員に下記の枚数を配ります。参加人数に合わせて配るカードの枚数が変わります。
残りのカードは裏向きに積み、山札として管理します。
参加人数 | 各自受け取る枚数 |
3人 | 11枚 |
4人 | 9枚 |
5人 | 7枚 |
次に山札から2枚めくり、それを初期カードとしてボード上のカード置き場に置きます。
最後に得点記録スペースに得点記録コマを5色のスペースの0の位置に配置します。適当な方法でスタートプレイヤーを決めたらゲーム開始です。
このゲームはスタートプレイヤーがちょっと不利です。それを頭に入れて決めた方が良いかもです。

ラウンド開始時:リスクチップを使うか否か
まず、ラウンド開始時にリスクチップを使うかどうかの判断を行います。手番は時計回りに進行します。
手札を1回使い切るまでを1ラウンドとします。各ラウンドの最初にリスクチップ(白)を使うチャンスが全員にあります。
全員が空いているスペースに賭けチップを順番に置いていって良いです。空いているスペースとは「自分も誰もチップを置いていないマス」です。
最初手番の賭けだけ、自分の色のチップに加えてリスクチップを2枚セットで置いてください。2倍チップとの組み合わせでもOKです。

ちなみにここで使わないとリスクチップは次のラウンドのこのタイミングまで使用不能です。使いたい人は是非、ここで賭けましょう!
要は情報ほぼ0の時に賭けるから、得点2倍のリスクチップ付で賭けられる。そう思ってもらってOKです。
けがわさん曰く、SNE版は自分が賭けた場所になら再度賭けられるような表現をしているとのこと。できません。
手番の流れ
全員がリスクチップを置き終わったら通常の手番を開始します。手番は以下の流れで行います。
- カードを手札から2枚場に出す
- 空いている賭けスペースにチップを1枚置いても良い
これを手札が3枚になるまで繰り返します。
手札からカードを2枚出す
手札から好きなカードを2枚選んで場に出してください。この時該当するカードの置き場に置きます。ずらしてシンボルの個数を見やすくしておくと、より快適にプレイできます。
最終的に手札のカードは1枚を残して全て場にだします。何をどの順番で出すのかが肝心です。相手の心理を誘導しましょう。

待てば待つほど、情報が明らかになるというわけです。
空いている賭けスペースにチップを置いても良い
次にチップを1枚だけ、空いている賭けスペースに置く権利があります。これは行使するもしないも自由です。時には見送ることも大切です。
ただ、のんびりしていると他人に良いスペースが取られてしまいます!

紅茶の6枚以上に2倍チップをドン!
そこ、次に賭けようと思っていたのに!
こんなやり取りもしばしばゲーム中起こります。シンプルな読み合いが楽しめるゲームです。
手札が3枚になったら
手札が3枚になったら賭けは最終局面に入ります。もう新たに賭けることはできません。全員で場に出す2枚を伏せて、一斉に決めます。
最後の3枚は2枚を伏せて、一斉にオープン!

こうしてオープンにされたカードをそれぞれのカード置き場に置きます。これで最終的な各色のカードの枚数が決定します。
賭けのチェックとチップの没収
次に全ての賭けの当たり外れを判定します。この時まず、カードの枚数を数えます。出されたカードの枚数からNOカードの枚数を引いてください。要はNOカードは-1枚扱いなのです。
NOカードを引き終えて数が出たら、当たり外れを判定します。
- 以上エリアに置かれたものは、賭けた数字以上の枚数なら当たり
- 以下エリアに置かれたものは、賭けた数字以下の枚数なら当たり
逆にそうでないもの、つまり外れたチップは没収されます。次のラウンドでは使用不能になるというわけです。
ただし、白チップだけは外れても帰ってきます。白チップは単体で使うことができないオマケのチップだからでしょう。リスクチップと一緒に賭けた色付きチップは没収されます。

得点ルール
当たった時に貰える得点は以下の通りです。当たった場合、その点数を受け取ります。2倍チップか、リスクチップを使ったものが当たれば2倍。その両方を使った場合は3倍になります。
賭けた場所 | 基礎得点 |
4枚以下または、5枚以上 | 1点 |
3枚以下または、6枚以上 | 2点 |
2枚以下または、7枚以上 | 3点 |
1枚以下または、8枚以上 | 5点 |

リスクチップと2倍チップの両方乗せは、4倍ではなく3倍止りです。これらのチップは「1枚で+1倍」にすると覚えれば、比較的わかりやすくなるでしょう。
得点例
ビッグベンの賭けを例に得点例を解説します。出た枚数は2枚で、全員当たりのケースです。得点はこのラウンド開始時に全員0点だった前提でお願いします。

2倍+リスクの組み合わせは、得点を3倍に高めます。上記の例では黄色が2倍+リスクで当てています。基礎得点こそ2点と低いものの、トータル得点で一番高いというわけです。
5点未満は0点ルール、10点頭打ちルール
加えて、このゲームではスコア方式に一工夫があります。5点以下は得点とみなしません。まんべんなくスコアを伸ばすより、ある程度絞ってスコアを伸ばすことをお勧めします。
また各色のスコアは10点で頭打ちです。10点取ってしまった色は、もう追加でスコアを稼ぐことはできません。その色には他人の邪魔をするためだけに、賭けチップを置くことになります。

チップの返還
当然外れたチップを没収されつづけていると詰んでしまいます!なので、以下の条件を満たしたらチップの返還を受けられます。
手持ちのチップが没収後に、「自分の色のチップが1枚以下」ならば自分のチップセット全てを再び受け取ります。
逆に2枚以上ならずっと手持ちのチップで戦い続ける必要があります。

次のラウンド
賭けの当たり判定と点数の加算。正答者に当たったチップを返還し、1枚以下の人にチップセットを返還した後に、ゲーム終了条件(後述)を満たしていないことを確認します。
全ての色で得点者(5点以上持ち)の人が出れば、そのラウンドでゲームは終了します。
ゲーム終了条件を満たしていないなら、残った手札1枚を回収します。
今ラウンドで使ったカードと山札を全てシャッフルして、ゲーム開始時に配った枚数を配り、もう一度ラウンドを繰り返します。
この時スタートプレイヤーは左隣に移動させてください。
スタートプレイヤーは最も不利なポジションです。必ず交代してあげてください!
ゲームの終了
全ての色で得点者(5点以上持ち)が出ればそのラウンドでゲームは終了します。つまり各色の得点スペースの5以上のマスに、最低1個ずつ得点コマが入っている状態です。
最終スコアでは4点以下のスコアは全て0点扱いです。これらはボードから取り除いたら計算がスッキリします。5点以上のものだけを合計して、最もスコアが高い人が勝者です。賭けクラブへの入会権利を獲得します。

最終得点の例
まず最初に5点未満のコマを全て取り除くことをお勧めします。こうすることで得点計算を非常にわかりやすくします。

青と緑と黄色の最終スコアです。青は紅茶とビッグベンと帽子で5点以上なのでこれらのみをカウントします。合計15点です。
緑は傘と新聞と帽子が5点以上なので、これらのみを足して合計19点。黄色は全て5点未満だったので、最終スコアは0点です。
なのでこの例では緑が勝者です。彼が会員制賭けクラブのメンバーに抜擢されるというわけです。
まとめ
- まず山札から2枚めくって場に出します。
- 全員に以下の枚数のカードを配ってください。
参加人数 | ラウンド開始時の手札枚数 |
3人 | 11枚 |
4人 | 9枚 |
5人 | 7枚 |
リスクチップフェイズ
- ラウンド最初の一巡はカードを出しません
- 空いている賭けスペースにチップのみを賭けられます。
- 賭ける場合はリスクチップ(白チップ)を一緒においてください。
- リスクチップはここで使わないと、今ラウンドでは使う機会はないです。
手番の流れ
- カードを2枚出して、空いている賭けスペースにチップを1枚置けます。
- これを全員の手札が3枚になるまで、時計回りに繰り返します。
- 残り3枚になったら、2枚を一斉に場にだします。
ラウンドの終了と得点計算
- NOカードは-1枚扱いです。全ての色のカードの出された枚数を数えて、予想が当たっていたかチェックします。
- 当たっていたチップに2倍チップ・リスクチップがあれば、それら1枚ごとに得点を+1倍します。つまり、2倍+リスクなら3倍です。
- 外れたチップは没収です。リスクチップのみは外れても持ち主に返します。
- チップが1枚以下の人は、チップセット全てを返還してあげます(救済ルール)。
次のラウンドかゲーム終了
- 全ての色のスコアで5点以上の人が1人以上出たならそこでゲーム終了です。
- そうでないなら次のラウンドを始めます。カードをゲーム開始時と同じ枚数配ってください。
ゲーム終了
- 5点以上の点数のみを足し算します。最も高い人が勝者です。
- 4点以下は残念ながら0点扱いです。
間違いやすいところ・疑問に思いやすいところ
- 最初の一巡はカードを出さず、チップのみを賭けます。
- リスクチップは何度外しても問題ありません。常に返還されます。
- 手札に残った最後の1枚は回収し配りなおします。
- 自分のチップが置いてあるスペースも空きスペースではありません。
評価と感想
まずは平等に良いところと悪いところを挙げます。
- 極限まで無駄を削ったシンプルなルール。
- 良いところは早い者勝ち、情報は待てば待つほど明らかになる。超わかりやすいゲーム性。
- 一緒に遊ぶ人の性格がもろに出る。参加者で大きくゲーム性が変わる。
- 大きく張る人も救済ルールがあるので、意外と戦える
- ギャンブルは男のロマンみたいな気分が、男女問わず味わえます(笑)。
- とにかく渋い。逆にいうと華がない
- 読み合いに重きが置かれているので、わかりやすい楽しさはないかもです。
- 本質はカードゲームと考えると、値段は若干お高め。
- 返還ルールは厳しめなので、なんだかんだ言って賭けを外すと辛い。
- 10点頭打ちルールは、どちらかといえば強者に優しいルールなこと
どんな人におすすめ?
シンプルなルールで楽しいギャンブルゲームです。リスクを大きく取る人も、コツコツ当てていく人も許容される素晴らしいゲームです。
ゲーム性が渋いことだけが難点ですが、万人におすすめできるゲームといえます。ゲーム初心者からゲーマーまで幅広くカバーできる作品の1つだと思います。
個人的な感想
要は初期手札を1枚残して、全て場に出てきます。手札の予想ゲームです。それを他人のカードの出し方、賭け方から読むゲームです。
とにかく参加者の特色が出ます。人をハメようとする人、大きくリスクを取る人、自道に精度の高い予想で点を稼ぐ人。めちゃくちゃプレイに個性がでます。遊ぶ人が変わればゲームも変わるタイプのゲームです。
クニツィア好きのけがわさん曰く、全てのカードの期待値は4.5になっており、4以下、5以上の賭けマス設定のバランスの良さも神がかっています。
僕個人としては20回以上遊んでいます。色あせることのない名作とは本作のことを言うのだと思います。渋いゲームですが、何度も遊べる魅力があります。
推定プレイ回数 | 20回~30回 |
僕のPlay:game点数評価 | 8点(とても良いゲーム。他人にも勧める) |
今後の予測変動幅 | 7~10点 |
メンバーズオンリーを買う
本作は海外ではあまり評価されておりませんが、日本のデータベースサイト「play:game」では17位と上位に君臨しています。日本では人気の絶版ゲームの1つで美品はオークションで1万円ぐらいするほど人気でした。
長らく絶版で入手は難しかったのですが、ここにきてなんと20年以上の時を経てグループSNEさんから再販されました!
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