クニツィアの手軽なカード集めゲーム!欲張ると何も得られない!
こんばんは、大佐です。今日はクニツィアの『なつのたからもの』の詳細レビューを書きました。
本記事はこのゲームのルールと魅力を分かりやすく解説しております。長々とお話しますので、必要箇所だけでもかいつまむ形でも、お読みいただければと思います。
目次
基本情報

タイトル | なつのたからもの |
デザイナー | ライナー・クニツィア |
発売年 | 1998年 |
プレイ人数 | 2~5人(3人ベスト) |
プレイ時間 | 15分 |
流通状態 | 流通中(1,540円) |
言語依存 | なし |
BGG平均レーティング | 6.6/10点(評価数25000) |
ゲームの概要
簡単なカードめくり&カードの種類数集めゲームです。手番には山札からカードをめくるか、すでにめくられた列のカードを取るかで悩みます。
手番はカードを取るまで、好きなだけ山札からカードをめくれます。つまり納得のいくカードが出れば取って手番を終了するのです。もちろん、列のカードが良ければ1枚もめくらずに取るのも可能です。
カードをめくる行為にはリスクが伴います。欲張りすぎるとペナルティを受けて、カードを得られずに手番が終了してしまいます。どこまで欲張るかシンプルなチキンレースのゲームです。
内容物の説明
このゲームはカードのみです。全10色の0~7までの各色8枚の80枚構成となっています。つまり同じ数字の同じカードは2枚存在しません。加えてアクションカード3種類が3枚ずつあります。これはゲーム中にめくれると強力なカードたちです。詳しい効果は後述します。

準備
準備は以下の2ステップで終了です。
- 全89枚のカードを裏向きの山札にして、よくシャッフルする。
- スタートプレイヤーを適当な方法で決めます。

もうこれだけでプレイ可能です。『ウノ』級の準備の簡単さです!
手番の流れ
手番は時計回りに行っていきます。手番プレイヤーは以下の2つから選んで行動します。
- カードを山札から1枚めくり、列に置く(1手番に何回でも可)
- 列に置かれたカードを1枚取って手番を終了する
つまり列のカードに納得がいかなければ1を繰り返し、良いカードが来たら確保するという流れですね。場のカードが良ければまったくめくらずに取るだけでもOKです。
1.カードを山札から1枚めくり、列に置く
このアクションは極めてシンプルです。山札からカードを1枚めくって列に置くだけです。この時にペナルティが発生することがあります。それが発生しない限り、このアクションは何度でも行えます!

ペナルティについて
列に並んでいるカードと同じ色のカードをめくってしまったときに発生します!この時に以下の処理を行います。
- ペナルティのきっかけとなったカードを列に置かず、捨て札にします。
- ペナルティを発生させたプレイヤーの手番を直ちに終了します。
要は列にあるカードと同じ色をめくると、手番とめくったカードを失うよというペナルティです。単純に獲得機会を失うので、やればやるほど勝ちから遠のきます。

誰かにたくさんめくってもらえると、他のプレイヤーがノーリスクでカードを手に入れられることもお忘れなく!
アクションカードについて
このゲームでは3枚の特殊カードがあります。これらをめくった時にまずアクションカードを捨て札にします。その後アクションカードの効果や権利を行使できます。

おねだり
プレイヤーを1人を選びます。その人は手番プレイヤーに手札からカードを選んで1枚渡さなければいけません。この時に受け渡しするカードは全員に公開する必要があります。手札のない人を指定することもでき、そうした場合は何ももらえません。
ひきぬき
プレイヤー1人を選びます。そのプレイヤーの手札を見ずに1枚引きます。引いたカードを自分の手札に加えます。要は1枚ババ抜きの要領でカードを1枚もらえるのです。この時に受け渡しするカードは、全員に公開する必要があります。手札の無い人を選ぶこともでき、そうした場合は何ももらえません。
「おねだり」「ひきぬき」で貰ったカードは忘れず全員に公開しましょう!
はっけん
このカードがめくれたら、列にカードを並べていきます。列に並んでいるのと同じ色のカードがめくれるとそこで止めます。めくった同じ色のカードは捨て札にして、その後列からカードを1枚取ります。
途中でアクションカードがめくれたなら、このカードの効果はここまでで止めて、新たなアクションカードを実行します。
要は「ペナルティを受けるまでカードをめくれて、カードを1枚取れる」か「新しいアクションカードがめくれるまでカードをめくる」のどちらかが実行されるカードです。
最後に大事なルールとして、「はっけん」時に山札のカードを全てめくってしまうとゲームは終了し、カードは1枚も取れません。終盤にめくれるとリスクがあるということです。
2.列に置かれたカードを1枚取って手番を終了する
このアクションは「利益の確定」です。列にあるカードを1枚取って、手札に加えて手番を終了します。それだけです。
またボーナス点を生む「上がり」、「トリオの公開」などもこのアクションを取らないとできません。

得点ルール
このゲームでは10色のカードのそれぞれの最大の数字のみが点数になります。それ以外は「トリオ」にすることでしか点になりません。
つまり、異なる色のカードを集めることで点が伸びるシステムと言えます。ダブった色のカードは「トリオ」にして点を伸ばしましょう。

「0」や「1」は「トリオ」や10色揃えて目指す「上がり」に活用できます。詳しくは後ほど!
「トリオ」について
同じ数字のカード3枚セット揃えたら、それを「トリオ」として公開できます。この方法で公開したカードは、自分の近くに並べておきます。
- カードを獲得して手番を終えた場合のみ、「トリオ」の公開が可能です。
- トリオ1つにつき10点です。
- 同じ数字3枚セットを「トリオ」にするかは任意で行えます。
- 公開した「トリオ」は手札ではありません。手札の得点計算からは除外されます。10色揃えてめざす「上がり」にも使用不能です。
- 「トリオ」は1手番にいくつでも公開できます。

トリオは理論上3までのカードしかプラスになりません。しかし、余った4や5でトリオを作ることも稀にあります。
10色揃えると「上がり」
このゲームに登場するカードは全部で10色です。手札に10色そろえると「上がり」を宣言できます。これをするとゲームは直ちに終了し、得点計算に入ります。「上がり」をした人は10点のボーナスが発生します。
- 「トリオ」で公開したカードは「上がり」に使えません。
- カードを獲得して手番を終えた時のみ宣言が可能です。
- 「上がり」ボーナス10点はゲームを終了させた人のみが貰えます。
- ゲームが終わると不利だなと思う場合、続行できます。

ゲームの終了
ゲームは以下の2つのどちらかが発生した時に終了します。
- 誰かが「上がり」宣言を行う
- 山札の最後のカードがなくなった瞬間(手番の途中でも即終了)
上記のどちらかが発生したら、手番の途中でもただちにゲームは終了します。得点計算をして勝者を決定します。2は「はっけん」の効果で終了することもありえます。終盤の「はっけん」はリスクがあります。
得点計算
- 手札のカードの各色のの最大の値のもの(手札の点数)
- 公開したトリオの個数×10点(手札のトリオは0点)
- 上がりを宣言し、ゲームを終了した人のみ+10点

例えば上記画像の場合の勝利点は手札のカードで合計40点。トリオが1つで10点足します。手札にトリオみたいな4と1が3枚ありますが、公開したトリオではないので追加の点は生みません。加えて上がり宣言をしているので+10点します。彼の得点の合計は60点です。
以上を全て足して最も得点の高い人が勝者です。同点の場合は勝利を分かち合います。
ベスト人数の3人だと、上がった人がほぼ勝ちますね。なので基本は上がりを目指すのが良いです。
まとめ
- 基本はカードを取るかめくるのかの2択です。
- めくったカードを列に並べます。
- 列に並んだカードを1枚取ったなら、手番は終了です。
- すでに列にカードがあるなら、山札からめくらず取るだけも可能です。
- カードを取って手番を終えたなら「トリオの公開」と「上がり宣言」が可能です。
アクションカード
- おねだり:任意の相手からカードを1枚貰う
- ひきぬき:任意の相手からカードを1枚、中身を見ずに引いてもらう
- はっけん:次のペナルティ発生か、アクションカードがめくれるまでカードをめくる。
- 「はっけん」の効果で発生したペナルティは手番を終了しない。
- 「はっけん」の効果でゲームが終了した場合、カードは取れません
- 「はっけん」の効果でアクションカードがめくれた場合、それを実行し「はっけん」の効果を終了する。
ペナルティ
- 列のカードと同じ色のカードをめくると発生します。
- 直ちにペナルティを起こしたカードを捨て札にし、手番を終了します。
- この方法で手番を終えると「トリオ」の公開や、「上がり宣言」は行えない
トリオの公開
- 手札の同じ数字3枚のセットを手札から抜いて、全員に公開します。
- この公開されたセット1つにつき10点です。
- こうして公開されたトリオのみが10点です。
- 一度の手番で何セットでも「トリオの公開」はできます。
上がり宣言
- 異なる色10色を手札に持っている場合、「上がり宣言」が可能です。
- 「上がり宣言」をすると直ちにゲームは終了します。
- 「上がり宣言」をした人のみボーナス10点を獲得します。
- 10色揃ってもゲームを続行しても構いません。ただし、他の誰かがゲームを終了した場合、上がりボーナスは貰えなくなることに注意してください。上がりボーナスは「上がり宣言」をした人だけです。
ゲームの終了
- 山札のカードがなくなる(「はっけん」の効果で意図せず終了することも)
- 誰かが「上がり宣言」を行う
点数計算
- 手札の中の各色のカードの最大のもののみが点数になります。
- 加えてトリオの数×10点、上がりボーナスがあれば10点を手札の点数に加えます。
- 手札の中に「トリオ」があってもそれは10点になりません。同時に10色揃っていても「上がり宣言」をしなければ10点のボーナスは貰えません。
- 合計得点が一番高い人が勝者です。同点の場合は勝利を分かち合います。
評価と感想
まずは公平に良いところと悪いところに触れていきます。
- 分かりやすいルールと、シンプルな悩ましさ。
- 確率計算、平均的なカードの価値(1枚3.33点)がすぐわかること。
- めくってばかりでも勝てず、めくらなさすぎても勝てない絶妙なゲームバランス
- 何人でも良いこと。ただしゲーム性は変わるので注意(人数が増えるほど運要素+)
- 低い数字も上がり狙い、トリオを作るのに重宝するゲームバランスの良さ
- 1回のプレイは運ゲーになりがち。複数回遊んでトータル戦績・スコアを競う遊び方を推奨します。
- アクションカードは直接攻撃なので好みが分かれます。
- アクションカードがあるとめくらず取るより、めくった方が基本強いです。アクションカード抜きで遊ぶのもアリだと思います。
- タイブレーク(同点時の優劣)がないこと。
- 人数が多いと手番数が少ないので、トリオを作り難く、高い数字ゲーになりやすい
ベストなプレイ人数
このゲームは人数が増えるほど手番の数が減っていくタイプのゲームです。なので程よい人数で遊ぶことが大切に感じます。機会の数が減るのでゲーム性も少し変わります。個人的には5人は悪くないですが、パーティーゲームだと思うぐらいに運要素は強いと考えています。
ベストは3人です。手番の数、行きわたるカードの枚数などなど隙のない人数だと思っています。4人はちょっと運が強くなりますが全然アリです。2人も全然いけます。
どんな人におすすめ?
パーティーゲームが好きな人が、ファミリゲームの最初に手を付けるのにうってつけの作品です。何よりルールのシンプルさが神がかっています。ファミリーゲーム入門向けとしては『ペンギンパーティー』と双璧を成すぐらい入門向け作品だと強く言えます。
個人的な感想
ゲーム初心者には『ペンギンパーティー』と並んで遊んでもらう入門ゲームの1つです。とにかく初対面の人には必ずプレイしてもらうので、プレイ回数が唯一100回超えているゲームです(笑)。
シンプル、悩ましい、他のプレイヤーを意識する必要がある。クニツィアのゲームとは何たるか?みたいな要素を全て兼ね備えます。ベスト人数3人は大きくリスクを取る人と、コツコツ堅実に行く人とあらゆる人に勝ちの目があります。運要素とスキル要素のバランスも良いです。
個人的にはアクションカードを使わない方が好きです。お勧めは3人で1回ずつスタートプレイヤーを担当するのが個人的には好きな遊び方です。準備&ルール説明ともに時間がかからず、初心者&熟練者が勝敗をいきなり競える、運と技術のバランスの良いゲームです。
推定プレイ回数 | 120~150回 |
僕のplay:game点数評価 | 10点/10点(常にプレイ。その意思が変わることはないだろう) |
今後の予測変動幅 | 8点~10点(オールタイムベストの1つ) |
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