法を守るべきか、破るべきか?悩ましいリサイクルゲーム!
こんばんは、大佐です。本日紹介するゲームは『R-ECO』です。日本のゲームデザイナーの川崎さんがデザインしたカードゲームです。
当記事では、このゲームのルールと魅力と分かりやすく解説しております。是非最後までご覧いただければと思います。
目次
基本情報

タイトル | R-ECO(アールエコ) |
デザイナー | 川崎晋 |
発売年 | 2004年 |
プレイ人数 | 2~5人(ベスト3人) |
プレイ時間 | 20分 |
流通状態 | 流通中(2,500円) |
言語依存 | なし |
BGG平均レーティング | 6.6点/10点(評価数21,000) |
ゲームの概要
プレイヤーはゴミ収集業者となり、ゴミを回収して分別して稼ぐことを目指すカードゲームです。
ゴミカードは全部で4種類あります。これらを上手く集めて、効率的にゴミ出しして稼ぎを得ることを目指します。

このゲームは手札の管理にかなり厳しい制限があります。それは6枚以上になると5枚になるようゲームから取り除く必要があります(不法投棄)。
不法投棄は1枚につきマイナス1点が発生します。できるだけしたくないです。しかし、その分手札管理の面で有利になるところもあります。
つまり手札を5枚以内に納めないとペナルティがあるゲーム。そう認識していただいたらOKです。
手札が6枚以上になると、5枚まで減らした上にペナルティがあります。気を付けてね!
準備
まず4色の得点チップ・または得点カード(版により違います)があります。これを以下の順番で積みます。0が一番上で、5を一番下に積みます。
- 5人プレイ:0,1,2,3,3,-2,4,5
- 2~4人プレイ:0,1,2,3,-2,4,5(3は1枚使わない)
積んだチップ・カードを工場カードの上に置きます。これがゴミ出しの報酬です。これをできるだけ集めることを目指します。

次に工場カードの説明します。工場カードは要はボードの代わりです。カードの置き場などを表すのに使うものです。
- 上側はカードの置き場(工場の絵の側)
- 真ん中は報酬チップ置き場
- 下側は回収用ゴミカードの置き場

次にゴミカードを全て裏向きのままシャッフルします。3枚ずつ各プレイヤーに配ります。これが初期手札です。手札は他人には非公開です。
次に工場カードのゴミ側に1枚ずつゴミカードをランダムで選んだゴミカードを1枚ずつ表向きに置きます。これで準備完了です!

手番の流れ
スタートプレイヤーを適当な方法で決めます。時計回りに自分の手番を行っていきます。手番の流れは以下の通りです。
- ゴミカードを1種類を好きな枚数、ゴミ捨て場に出す(ゴミ出し)
- 回収用ゴミのカードを受け取る(ゴミ回収)
- 手札が6枚以上なら5枚になるよう不法投棄する(不法投棄チェック)
- 取った色の回収用ゴミカードの補充(ゴミ補充)
これを繰り返していきます。
「ゴミ出し→ゴミ回収→不法投棄チェック→ゴミ補充」と覚えれば少し覚えやすいかもです。
ゴミカードをゴミ置き場に出す
手札のゴミカードを1種類選んで、それを好きな枚数だけ出します。この時に出す場所は、ゴミと同じ色の工場カードの上です。過去に出されたカードもそのままなので、どんどん溜まっていきます。
もしあなたが出したカードで、そのゴミ置き場のカードが4枚を越えたら報酬が発生します。3枚以下なら何も起こりません。次のステップに進みます。

報酬について
今出したカードで、置いたゴミ置き場のカードが4枚以上になるように出した人が貰えます。報酬として得点チップ・カードの積まれた山の一番上のものを1枚受け取ります。


そのあと工場カードの今出した色の過去のカードも含めて、全て捨て札にします。要は4枚以上になったゴミ置き場のカードをリセットします。
この受け取ったチップがそのまま得点です。しかし、同じ色のチップ・カードを2枚集めないと得点・失点とカウントされません。つまり0点扱いということです。
報酬チップ・カードは同じ色が2枚集まって初めて得点になる。(プラス・マイナスどちらも)
回収用のゴミを受け取り
次に今自分が出した色の工場カードのゴミ側のカードがあります(回収用ゴミ)。それを全て受け取って手札に加えます。
この時手札が6枚以上でないかチェックします。5枚以下なら問題なしです。もし6枚以上ならば5枚になるまで不法投棄する必要があります。
不法投棄
手札が6枚以上ならば、要らないカードを選んで裏向きに伏せて、自分の近くに置いておきます。これを5枚になるまでやります。
この方法で伏せたカードはあなたの手札ではなくなります。失点用カウント用にゲームから取り除かれたカードだと思ってください。
この失点はゲーム終了までどんどん累積して溜まっていきます。やればやるほどマイナスも増えるので、手札の枚数は常に注意が必要です。
自分の前に、不法投棄カード置き場があるとイメージしてください。そこに今までの不法投棄を積み上げていくイメージです。

不法投棄はマイナス1点であるだけでなく、「不法投棄をしなければ優良業者ボーナスの3点が貰えます」。最初の1枚はボーナス3点を失うのを合わせれば実質マイナス4点といえます。
最初の不法投棄の決断は慎重に!やるなら徹底的にです!
個人的には不法投棄は1人がやる分には強いが、複数人でやるとそれほどでもないイメージですね。
取った色のゴミカードを補充する
今取ったゴミカードを補充します。この時の補充枚数はゴミ捨て場(工場側のカード)の枚数+1枚です。要は捨て場のカードの1枚多く補充されると覚えておいてください。

先述しましたが、ゴミ置き場は4枚以上になるとリセットされます。なので補充用のゴミは多くても4枚以上置かれることはありません。
ここまでで手番は終わりです。次の人の手番に移ります。
ゲームの終了
いずれかの色の報酬チップ・カードの5(最後の1枚)が取られ、かつその手番を完了したら、ゲーム終了です。
間違いやすいルール
チップの2枚以上ない色はノーカウントというのは初回の説明の抜け・漏れが起こりやすいです。それぐらいでしょうか。
得点計算
各プレイヤーは全ての報酬チップ・カードの2枚以上持っている色のみを数字を足し引きします。1枚しかない色は常に0点です。
そこから不法投棄したカードの枚数分の1点減らします。不法投棄のない人は優良業者ボーナス3点を得ます。数式化するとこんな感じです。
2枚以上ある色の報酬の合計+優良業者ボーナス(3または0点)ー不法投棄したカード枚数
不法投棄があると優良業者ボーナスの3点はなくなります。

上記の例をではAは-2を2色持っていますが、それぞれ単独でしか持っていないのでこの-2は考慮しません。合計9点ですが、不法投棄が1枚あるので1点減らして8点です。
Bは黄色の2が単独なので考慮しません。その他を足すと12点です。ここにさらに不法投棄が0の優良業者ボーナス3点が加わり15点です。
優良業者ボーナスの3点はなんだかんだいって大きいです
評価と感想
まずは公平に良いところと悪いところに触れていきます。
- 不法投棄をやってもやらなくても勝てる!
- 途中の-2点を我慢する、プレイ中に変化するゲーム性
- わかりやすいルールにシンプルな悩ましさ!
- なかなか替えの効くゲームのない唯一無二さ
- 日本発祥の海外メーカー取り扱い実績アリの作品
- とはいえ不法投棄がやや強い印象がある
- 不法投棄をしないと記憶力の良い人に手札を覚えられる
- 補充用のゴミの補充作業が割と手間です。
- 中長期の視点を持たないと、短調なゲームに感じやすい
- 価格がカードゲームの中ではややお高め(2,500円)
人数ごとのプレイ感の変化
2人 | 真剣勝負!不法投棄しない相手の手札は覚えよう! |
3人 | 運・実力のバランスが良いベスト人数。手札を覚えられる限界。 |
4人 | やや運強めだがこちらもバランスが良い。 |
5人 | やや大雑把なゲーム性になる。しいて言うなら一番不向きな人数。 |
本作も人数が減れば減るほどランダム要素が減るタイプのゲームといえます。ベストは3人ですが、マイルドなゲーム性が好きならば4人がお勧めです。2人は実力者とやるとまず勝てません。
どんな人におすすめ?
ルールは多くないのですがゲーム性としては、シビアな手札管理(ハンドマネージメント)ゲームです。特に不法投棄をせずに5枚以内に納めるのはセンスが求められます。
上手い人はとことん上手いタイプのゲームです。3人で「実力6.5:運3.5」ぐらいに感じます。なのでやや技術介入度は高いゲームだと考えています。
ファミリゲーム入門には不向きですが、ファミリゲーム中級者以上にお勧めです。
個人的な感想
間違いなく傑作です。プレイ回数は優に20を超えており、50回に近いぐらいだと思っています。
カードの補充と回収は手間ですが、そこを除くと唯一無二でなかなか替えの効かないゲーム性だと思っています。特に中盤の-2点を我慢する我慢大会の流れは、ゲーム性が大きく変化する場面の1つです。
-2点をどう乗り切るかは何度やっても緊張感を持って臨めます。素晴らしいゲームです。日本が誇る名作ゲームの1つなのは間違いないでしょう。
推定プレイ回数 | 30回以上、50回以下 |
僕のPlay:game点数評価 | 9点(素晴らしいゲーム。常にプレイ) |
今後の予測変動幅 | 7~10点 |
『R-Eco』を買う!
いろんなエディションがあります。中でもカードゲームの大御所「AMIGO社」や海外の「Z-manゲームズ」からも発売された実績のあるゲームです。
現在は日本版が流通しているのでそれが一番手に入れやすいでしょう。カードゲームで値段は少々お高めです。ゲームにある程度慣れた人が買うのにちょうど良いかもです。