ボードゲーム

簡易レビュー『レース・フォー・ザ・ギャラクシー』

銀河の大開拓時代の到来!要素もりもりの拡大再生産ゲーム!

 こんばんは、大佐です。今回は再販されて間もない『レース・フォー・ザ・ギャラクシー』の簡易レビューを書きたいと思います。当記事は本作の魅力とルール上の疑問点をまとめました。是非、ご活用ください!

ゲームの概要

 プレイヤーは銀河帝国の開拓に乗り出します。帝国に必要な設備の設営や、領地となる惑星の確保(必要あらば鎮圧)していき、より優れた銀河帝国を築くことを目的とします。

 ざっくり言ってしまえば、拡大再生産です。拡大再生産とは「建物を建てると、その建物の効果で次の建物が建てやすくなる」みたいなイメージでだいたい良いです。それを繰り返してどんどん、自分の国や会社を大きくしていくゲームが拡大再生産のイメージとしては十分かと思います。

 それをこのゲームでは100枚を超えるカードで行います。なので、毎回必ず少し違う展開になります。なので偶発的に手札に来たカードで打ち回しを考えていく必要があります。

基本情報

タイトルレース・フォー・ザ・ギャラクシー
デザイナートム・レーマン
発売年2007年
プレイ人数2~4人(ベスト2人)
プレイ時間30~60分
流通状態流通中(4,400円)
言語依存テキストカード多数(英語版を買うときに注意)
BGGレーティング7.8点/10点(評価数47000)

本作の最大の魅力はカードの巡りから、最適な銀河帝国を作る楽しみ

 このゲームでは合計110枚以上のカードが登場します。なかでも凄いのはワールドと呼ばれる丸のシンボルのカード(ゲーム中では星にあたる)ものは60種類以上登場し、それら全て能力が違います。加えて発展カードも30種類以上あるので、90種類以上のカードが登場することになります。

 の90種類を超えるカードの偶然の巡りから、最適な銀河帝国を作り出すことがこのゲームの勝利のカギとなります。巡ってきたカードで上手く戦うことが求められます。ざっくり言えばアドリブ力が求められるゲームと言えますね。

 なのでプレイ毎に異なる体験が得られやすいです。リプレイ性が高く、数百・数千プレイしている人がいるほど中毒性の高いゲームです。また拡大再生産のゲームでありながら、短時間で収束するのも魅力です。

難点はカードの情報量の多さと、それに伴う盤面情報の多さ

 本作の一番厄介な点は、カードの情報量の多さです。1~5のフェイズでどういう挙動をするのがアイコンで記されています。様々な効果を作ろうとしてアイコンの数がかなり多いです。なので最初は「アイコンを覚えること」からスタートすることになります。

 また本作は選択フェイズ制という、全部で5フェイズ(特権は7種類)の中からお互いに選んだアクションを全員で実行し合うゲームです。例えばⅠの探索フェイズを選べば、全員が山札の上から数枚みて手札に加えることができます。

 じゃあ、フェイズ選んだ人には何があるの?と思われると思いますが、自分が選んだフェイズで様々なボーナスがあります。先ほどの探索ならば追加でカードを見れたり・手札に加えたりできます。それぞれの特権はカードに描かれております。

 また、選ばれなかったフェイズは実行されません。なので、どのアクションを相手が選ぶか読み合うことが大切です。しかし、初回は自分の手元でいっぱいいっぱいになります。カードの効果を管理するのも結構大変です。

 なのでこのゲームの真価を引き出すには、ぶっちゃけてしまえば、カードをある程度覚えてしまうことが大切になります。カードを覚えてしまえば、盤面情報をさっと読み取れるようになり、アクションの読み合いが自然とできるようになります。ここまで来て、ようやく銀河帝国の開拓競争の深みを探求できるようになります。

ちなみに筆者はアクションの読み合いができるようになるまで15プレイぐらい必要としました。5プレイぐらいで見切って売るを2回もしたせいもあります(笑)。

間違いやすいところ・疑問に思いやすいところ

 とりあえず箇条書きでまとめてみます。

  • 発展と移住のボーナスの違い
  • 消費能力は強制であること(可能なら実行)
  • 勝利点はストックの数を使い尽くしても、きちんと分配はされる
  • 「交渉特技官」系能力「植民船」の能力で黄ワールドは出せない
  • 「交渉特技官」系能力と「植民船」で軍事ワールドのコストを踏み倒せる
  • 「交渉特技官」系能力とコスト低減能力は、コスト低減能力が正常に機能する
  • 「公共事業」と「星間銀行」の違い
  • 商品をカードの代わりで代替する時の注意点

発展と移住のボーナスの違い

 これ初回のうちはよく間違いやすいです。混同しやすいですね。双方のボーナスは発展はコストを1低減してくれて、移住はワールドを出したのちにカードを1枚引くという、似ていますがちょっと違う系です。

 なので慣れるまでがどっちがどっちだか、ちょっとわかり難いです。何回か移住を選ぶとコスト1減ると勘違いしたことがありました(笑)。

アイコン名を入力

似たような挙動で少し違う系は、勘違いの元になりやすいです。この方がバランスが良いとも思いますが、覚えやすさ観点から言えば統一してほしかったですね。

消費能力は強制であること(可能なら実行)

 消費フェイズが選ばれたら、基本的に商品は消費しなければなりません。売りたかった商品なども、誰かが選んだ消費のせいで勝利点に換えざるを得ないケースが発生しうるということです。

 ただし、商品は対応する消費能力がなければ消費して勝利点や交易でない方法でカードに換えることはできません。持っている商品に対して、有効な消費能力のあるカードが場になければ、問題なく消費フェイズを選ばれても、商品を次のターンに持ち越せます。

 また、例外として「赤字公債」などの手札を捨てて勝利点に換える能力だけは任意なのでご注意ください。

最後の列は「この場合」ですね。誤字っています。
猫さん

上の場合だと、僕の貴重な黄色の商品も、自分の建物唯一消費能力持ち産業コングロマリットでは消費できないので持ち越せる!良かった!

勝利点はストックの数を使い尽くしても、きちんと分配はされる

 勝利点は最初にプレイヤーの人数分×12点が用意されます。例えば3人だと36点分ですね。これはあくまで終了条件のトリガー判定用ラインだと思ってください。なので、初期分の勝利点を越えて獲得することがあれば、その分は正常に分配されます。

猫さん

最初に用意する点数は「ここまで獲得したらゲームが終わりだよ」ってだけのものです。

「交渉特技官」系能力「植民船」の能力で黄ワールドは出せない

 「交渉特技官」のようなコスト支払い変更系能力と、「植民船」のコスト踏み倒し能力の2つでは黄のワールドは建てられないことにご注意ください。自分はそれぞれ1回ずつは最低いけると思ってプレイして、できなくて詰んだ記憶があります(笑)。

 ちなみに黄ワールドは自己修復ロボットのような、コスト低減系能力は有効です。そこがまたややこしいですね。おそらくゲームバランスの都合上で生じた例外的な扱いでしょう。

アイコン名を入力

クニツィアの『チグリス&ユーフラテス』の回でも申しましたが、このようなゲームバランスの都合上の例外処理は理由が添えてあると分かり良くなると思います。説明してほしいです。

「交渉特技官」系能力と「植民船」で軍事ワールドのコストを踏み倒せる

 これはマニュアルにしれっと書いてあります。この2つの能力は問題なく組み合わせることが可能です。例えば「銀河交易特使」と「植民船」を場に出していて、「反乱軍基地」(赤の6コスト)を「植民船」の効果で捨て札にすることで建てられます。

「交渉特技官」系能力とコスト低減能力は、組み合わせて機能する

 これまたちょっとややこしい組み合わせです。例えば「交渉特技官」と「自己修復ロボット」は問題なく組み合わせて機能します。この2つをコントロールしている時に赤の6軍事ワールドの、「交渉特技官」の能力による通常配置コストは3枚になります。

猫さん

通常コストで配置する能力と、通常コストを下げる能力は両方組み合わせて、問題なく機能します。

「公共事業」と「星間銀行」の違い

 この2枚はわりとごっちゃになりやすいです。どっちがどっちだったっけ?系です。慣れるまではなりやすいです。僕は先引きの方「星間銀行」が強いのでコストが高く、あと引きの「公共事業」は前者に比べ弱いのでコストが安いと覚えています(笑)。

dav

商品をカードの代わりで代替する時の注意点

 これはゲーム上のわかり難いところと言うよりも、多くの人が推奨する行為に関する疑問です。

 ワールドに商品を置くと視認性が悪くなることから、代用品で代用することを推奨する人が結構います。僕はこれを推奨していません。理由は山札の周回速度に差がでてしまい。ゲーム性に違いが出てしまうからです。ちょっと見にくくでもオリジナルのルールで遊ぶことを推奨します。

 たぶんこの辺は遊ぶ前に確認しないと揉める可能性があります。いつも遊ばない人と本作を遊ぶときに商品をどのように扱うのか確認を取ったほうが良いかもしれませんね。

カードの上にカードを置くことが、機能性がイマイチなのは同意します。しかし、良い代替え案もないし、難しいところかなと僕も思います。

本作を戦略的に遊ぶ上で、覚えておくと良いポイント

  • 本作のベストな人数は2人です。2人だと盤面情報も比較的少なく読み合いもやりやすいです。まずは2人プレイから慣らしていきたいです。
  • 手札の数は選択肢の数です。なるだけ0~2枚にならないように立ち回りたいです。
  • コストを低減するカード、何かするとボーナスをくれるカードは早めに建設したいです。また、これらのカードはあと何回仕事をするのか考えて建設したいです。できれば元を取りたいですね。
  • 本作では傾向として、低コストのカードはゲーム中に役立つ能力を持っており、コストの高いカードはゲーム終盤の点数稼ぎ向けにデザインされています。序盤に高コストを無理して建てないようにしたいです。
  • 一番はカードを覚えることです。カードを覚えることが何より上達に貢献します。AI版、スマホ版、BGA版と様々なバージョンで遊べるので回数遊んで覚えてしまいましょう。

評価と感想

 まずは公平に良いところと悪いところに触れていきます。

  • カードの巡り次第で異なる展開が用意され、アクションの読み合いも個性が出ます。リプレイ性が非常に高いこと。
  • カード運が強いと見せかけて、実力はきちんと出るところ。このゲームのAI対戦版はその強さに驚きます。強い人は勝ち越せるようゲームデザインされています。
  • あらゆる勝ちパターンがあり、プレイングの引き出しを増やすことが実力向上に大きく貢献すること。
  • 同時処理で待ち時間を根本的になくそうとしていること。慣れればテンポよく遊べます。
  • 強いパターンを組み立てる楽しさ。カードや勝利点をたくさん得られる時のダイナミックなゲーム性は楽しいです。ゲーム内スコアで50点越えすることも。

  • 盤面情報が多く、慣れるまでは読み合いどころではないこと。ソロプレイ感が強く感じる人がそこそこいるのは理由はこのため。
  • カードの種類が多く、アイコン化された効果はアイコンを覚えるところからスタートです。ゲーム内用語も少なくなく、遊ぶまでの敷居が高い。
  • お互いに直接的な干渉はできないので、大差をつけられるとどうしようもないこと。2人プレイなら潔く投了するのも手でしょう。
  • 特定フェイズでカードが引けるなどの効果の発動忘れが起こりやすい。この辺はトレーディングカードゲームと同じです。
  • 初期ワールドに強弱がそこそこあり、同じぐらいの実力の人同士だと、初期ワールドの格差が激しいとその差を覆すのが大変。

ベストな人数

 間違いなく2人です。移住と発展が2回できる上級ルールは必須ですね。2アクション選べるとだいぶ計画的にプレイできます。また、2人の方が盤面情報も少なく読み合いもしやすいです。慣れるまでは2人プレイが一番でしょう。

 3人以上だと1アクションしかできないので、アクションの選択が大切になります。4人でも否定票は7.2%しかなく何人でも良いといって差し支えないかと思います。とはいえ、上級ルールの2人と3人以上はゲーム性が全然違います。なので最終的には2人プレイと3人以上、両方試してみたほうが良いでしょう。

本作はまずデジタル版で練習したいです

 本作はカードの効果などが複雑な部類で、その判定を人間が行わないといけません。カードの効果を間違えない+覚えるためにも、まずはデジタル版を強くお勧めします。

 一番はボードゲームアリーナです。カードは全て日本語化されており、実力にあった相手とマッチングできる設定があるので、それを入れて同じぐらいの実力の人を探して練習しましょう。

 友人同士で遊ぶ面からしても基本セットは無料で遊べるボードゲームアリーナが最強です。自分はこれで弟と50プレイ以上遊んでいます。再販されましたが、まずはデジタルで遊んでから買うかどうか判断しても遅くないです。

個人的な評価

 評価の難しいゲームです。最初のころはゲームの感覚が全く分からず、すぐ大差をつける&つけられてどうしようもなくなって、面白くないなと思うことが多かったです。初期ワールドゲーでは?と思った時期もありました。

 ボードゲームアリーナを始めて本作があるのに気づき「騙されたと思ってやってみよう」とプレイ。いろいろ試してみました。そんな中でいろんなルートがあることや、引きに合わせて柔軟にプレイしていくことの大切さに気付きました。

 何よりデジタル化により処理・手続きや判定の簡略化の恩恵が大きかったです。最初はデジタル版で遊ぶべきというのはここです。初心者の頃にこのゲームの判定系を自力でやらされると、複雑でミスをしがちです。正直、ゲーム内の専門用語も多くプレイに漕ぎつけることすら、難しいかもなゲームです。

 正直なところ、自分は拡大再生産が得意ではありません。拡大再生産はミスをすると勝利から遠のくゲームだと思っている部分が大きいです。本作もその性質がありますが、打つべき手のパターンが豊富でいろいろ試してみたくなるところはかなり良いと思っています。

 ただ、反面人に勧めるゲームではないですね。「プレイ時間だけ見て気軽に遊べるゲームなんだ」と思って買うのはやめた方が良いでしょう。良いゲームだとは思いますが人は選びます。購入する前に、まずはBGAで遊んで試してみてからでも遅くないです。

『レース・フォー・ザ・ギャラクシー』を買う!

 本作の日本語版は長い事絶版でした。ところがここにきて第二版として再販されました。第二版の違いは一部弱かったカードがコストが下げられ上方修正されました。また初期ワールドの追加カードが6枚入っています。

 初版の基本セットは初期ワールドは格差が激しいので、この追加の初期ワールドは是非欲しいところです。初期ワールドを軸のそのゲームの戦術が決まるので、初期ワールドの数が増えるとより面白くなります。なので買うなら言語を問わず、第二版を買いましょう。中古を買う時は要注意です!

 なお、本作には多数の拡張セットが出ています。今のところ拡張セットの日本語版がリリースされると発表されてはいません。まあ、普通に考えて基本セットの売り上げが好調なら、順次されていくと思います。

 過去日本語版で出ていた『嵐の予兆』、『帝国対反乱軍』、『戦争の影』ぐらいまでは日本語化されると思いたいですね。ちなみに『嵐の予兆』はもし再販されたらマストバイだと思います。

カードスリーブについて

 有名TCG『マジック・ザ・ギャザリング』と同じサイズのスリーブが必要です。なので地方に住んでいる方もスリーブは容易に入手できるかと思います。おススメはKMCのハイパーマットクリアですね。ハイパーマットシリーズはシャッフルしやすいので、少々高くても個人的にはこちらがおススメです。

 カード枚数的に2セット必要です。駿河屋で買うと定価より安いので本体と合わせて買うのもアリかと思います(ただし4/13現在、駿河屋で基本セット第二版は売り切れ)。

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