ライン川流域で領地争い!
目次
ざっくり解説
ライン川をテーマにした陣取りゲームです。番号が書かれたカードを使って、騎士を配置して、良い場所を自分の領地(公国)にしていくゲームです。
騎士の配置は最初の1つは正規の番号が必要です。すでに配置された自コマに隣接する+他人の騎士に隣接しない場所に騎士を置くときは番号を無視して配置ができます(援軍)。
公国と公国がぶつかると合併が起こり、より騎士の数が多い人が支配します。うまく他人の国を乗っ取りたいです。それを防ぐ要素として要塞を配置することができます。
他にも城・町・教会の3種の建物があります。これらを自国に組み入れると恩恵があります。これらの要素を上手く駆使して最も得点が高い人が勝利します。

基本は陣取りゲームだよ。良い場所を抑えることと、国同士の合併(戦争)を意識するゲームだよ。それを防ぐ方法もしっかり用意されてるよ。
長所
要塞の使い道の面白さとバランスが絶妙。要塞は戦争防止の守りの使い道と、相手の拡大防止の攻めの使い道があります。また川越えの攻撃は防げません。バランスが絶妙です。
強烈な配置制限と自由度の高い援軍のルールとバランスが良い。援軍の制限が素晴らしく、ほどよくおきたい場所に置けたり、置けなかったりします。絶妙です。
短所
されるとやや理不尽に感じる大司教の寝返り能力。使う&権利の獲得の難易度が高いとはいえ、それに見合ったリターンだけあり強烈です。された側は少し辛いですね。
川越えの攻撃にほぼ打つ手がない。地上の攻撃はだいぶ防ぐ方法がありますが、川を越えてくる攻撃はほとんど打つ手がありません。
ベストプレイ人数
4~5人です。このゲームは人数面の調整があまりありません。人数が減ると、ただただマップが広くなります。適正人数で遊ぶことが大切なゲームです。
3人だとかなり緩いです。3人は同士の衝突があまり起きず、完全住み分けで終わることもあります。25%の反対意見があり、賛否の分かれる人数といえます。
ベスト4~5人。個人的には手番頻度のことを考えると4人が好きですね。マップの人数別の調整がほぼないです。
個人的な感想
クニツィアの陣取りゲームです。コマが2つ以上の集合ができれば国ができ、国同士がぶつかれば戦争というのは同作者の『チグリス&ユーフラテス』を彷彿とさせます。
時系列としては『チグリス』より2年後の作品です。なので『チグリス』でやり過ぎたと思ったのか、戦争の抑止力は念入りに調整されている印象を受けます。
また戦争の処理も負けてもコマが消し飛ぶことはなく、コマを足せば支配権を取り戻せます(ただ、難しいです)。この辺は後発の作品らしくやや粗い『チグリス』に比べてよく調整されていると思います。
プレイ回数は3回ほど。3人2回、4人2回ぐらい遊びました。マップの人数調整がないので4人ぐらいが妥当かと思います。3人はあまり衝突が起こりません。
個人的には調整版『チグリス』って感じで好みです。またチグリス風ゲームの『秦』とは多人数向けな本作と、少人数向けの『秦』でうまく差別化できていると思います。
良いゲーム。佳作以上は確定。地味だけど「これぞ隠れた良作」って感じです。多分当時は『チグリス』に埋もれ、マニアしか評価しなかった説が僕の中である作品です。
大佐さん曰く「調整版『チグリス』。すべての要素がバランスが良く、練られている。死んでいるルールがない。積極的に遊びたい」とのこと
新版と旧版
このゲームは新版(2005年)と旧版(1999年)があります。新旧の違いはざっくりいえば旧版はイラストが良くて、新版はコマ類のコンポーネントが良いです。
多くの人向けにいうと新版の方が人気が高いでしょう。大公コマは馬に乗った騎士、大司教はカードから大きな木コマに変更されています。値段も新版の方が高い気がします。

より詳しく新旧を比較する記事が読みたい人は以下のリンクをどうぞ。クニツィアマニアで有名なけがわさんの詳細レビューです。