企業間の地球化競争をテーマにしたレジェンド級ゲーム!
目次
閲覧注意
結論から申し上げますと、筆者には合わなかったゲームです。ボードゲームはどんな作品も賛否があるものです。万人に刺さるゲームをデザインするのは不可能に近いです。
好きな人は好き。それでで良いと思います。合わなかった人の1意見を読むという前提でお進みください。本作が好きな人にはここでのブラウザバックを強くおススメします。
できるだけ良いところを褒めるように努めていますが、かなり否定派寄りの意見です。愛好者の方向けの内容ではありません。
ざっくり解説
凍り付き、酸素もない死の惑星「火星」。そこに手を加えて、移住可能な惑星にしようと様々な企業がこの「火星の地球化プロジェクト」に乗り出す世界がテーマです。
温度、酸素、海洋面積率の3つのパラメーターを伸ばし、人や生き物が住める惑星を目指すゲームです。それらの要素を主にカードを行ってすすめていきます。
カードは基本セットで200枚ほどあり、ほぼ固有の効果だと思います。これを使うことがこのゲームのメイン要素です。様々な地球化に貢献するパラメーターや資源を得られます。
これらを繰り返していき、温度、酸素、海洋面積率が一定以上になると地球化完了としてゲームは終了します。それらの要素や様々な形で最も貢献したプレイヤーが勝利します。
温度、酸素、海を増やして生物が住める星にしていくゲームだよ。そのために企業が色々ガチャガチャやるゲームって感じだよ。
長所
パラメーターを上げるのが楽しいです。パワーを上げてそのパワーを駆使するレベルアップの楽しさがあります。『シムアース』のような世界観が繰り広げられます。
リプレイしたくなる仕組みが素晴らしいこと。200枚超のカードのめぐり合わせ、企業ごとの初期スタート条件の差別化など、何度も遊びたくなるようデザインされています。
短所
圧倒的手続きの多さ。デジタルゲーム級の処理・判定作業の多さです。これを間違いなくプレイするのは困難で、プレイアビリティ(プレイし易さ)に大きく難があります。
直接攻撃の要素です。他人の資源を破壊・産出量を下げる効果があります。特に、長時間のゲームで直接攻撃はゲームの体験を悪くする可能性が低くないです。
ベストプレイ人数
3人です。2人だとカードがほぼ引き切れずだいぶ余ります。また1位・2位にボーナスがある要素があり、そこで競争する相手が欲しいので3人はいたほうが良いと思います。
手番の数は人数が少ないほど増えます。人数が多すぎると手番数が少なくなる+待ち時間の増加という二重苦が待っています。5人が不向きなのはそのためです。
2人は必要十分。4人は準ベストって感じです。1人でも遊べ、それもまた悪くない人数みたいです。
3人>4人>2人>1人>>5人の順ってイメージです。2人が必要十分のラインかなと個人的には思います。
個人的な評価
火星開拓をテーマにした固有効果のカード200枚以上を使うゲームです。企業ごとの差別化とカードの流れ次第のゲーム性で、高いリプレイ性を約束しています。
そのためゲーマー向けの投票(※1)では5年連続1位を獲得する人気っぷりを誇り、日本では多くのゲーマーが評価しているゲームといって過言ではないでしょう。
テーマ・リプレイの価値を担保する仕組み、企業による差別化。様々な拡張セット、ソロプレイ可能などあらゆる面で隙がないです。凄いゲームなのは間違いありません。
プレイ回数は3回。テストプレイ1回、2人プレイ1回、ソロプレイ1回。どちらも基本セットのみの初心者向け企業でのみのプレイです。ソロプレイはテラクターでプレイ。
このゲームはまず最初に言えるのは「賛否両論なゲーム」だと思いました。大きく分けると、圧倒的リプレイ性に魅了される人。もう1つがヒューマンエラー不可避の煩雑なゲーム性に頭痛を感じる人に分かれるゲームだと思います。自分は後者です。
アナログなゲームとして人間が間違えることなくプレイできる限界を明らかに超えた作品だと感じました。なので自分は本作のアナログとしての評価は低いです。
同じぐらいの時間を費やすなら他の自分の好きな長時間ゲーム(『コンテナ』など)に充てたいですね。率先して遊ぶことはないと思います。
デジタルゲームとしてみれば、いろいろガチャガチャいじれるゲームとして面白いです。カードの内容を覚えるほどやり込めば、評価はプラスに傾く可能性は十分にあります。
大佐さん曰く「アナログとしては問題点が多いが、デジタル目線でみれば面白さだけを味わいやすいと思う」だってさ。
※1:日本版 The One Hundredという投票です。
個人的な疑問点(多いです)
- 基本セットの200枚カードがある割にパラメーター・資源を上げ下げする効果が多すぎる気がします。面白みに欠くカードデザインかなと思います。
- 毎ターン行うリソースの獲得フェイズの作業が短時間ゲームの準備クラスなこと
- タイル配置時の判定の多さ。勝利点、お金、資源どれか忘れがちです。
- パラメーターの値が指や袖が触れて動きうること。元の値を忘れたら終わりです。
- 終盤の行き詰まり感。特に基本セットだと終盤、地熱が死にリソースになりやすい。
- 初回だとカードテキストを確認するため、プレイ時間が長くなりやすいです。
- 手番がパス抜けのため、手数の多い人のアクションを見ているだけになることも。
- 3人以上のプレイで褒章を作る行為は、誰かに2点奢るので理不尽な感があります。
- 万里の長城のように使用済みカードを並べるゲーム性。置き場に困ります。
- 起動型能力の起動済みのキューブの取り除き忘れが頻発したこと。
大佐さん曰く、これらの疑問点の多くはアナログゲームとしての目線のものが多く、デジタルになれば大半解決すると考えてるんだって。