奴らの首を獲れ!手軽なセットコレクションゲーム!
こんばんは、大佐です。今回の詳細レビューでご紹介するのは『ヴァンパイア』というカードゲームです。
当記事では、このゲームの魅力とルールを分かりやすく解説しています。それではよろしくお願いします。
目次
基本情報

タイトル | ヴァンパイア/バンパイア |
デザイナー | ライナー・クニツィア |
発売年 | 2000年(初版) |
プレイ人数 | 3~5人(ベスト4人)(何人でも良い) |
プレイ時間 | 30分 |
流通状態 | 日本語版が流通中(やや品薄) |
言語依存 | なし |
BGG平均レーティング | 5.9点/10点(評価数604) |
ゲームの概要
プレイヤーはヴァンパイアハンターとなり、ヴァンパイアのねぐらに集結するヴァンパイアを狩って首を集めるゲームです。
テーマはそのようになっておりますが、単純な同じ色のカードを集めるゲームです。一定のルールにのっとり、手札に同じカードを集めます。それを点数として公開して得点にします。この流れを繰り返すゲームです。
同じ色のカードや特定の組み合わせのカードを集めることを英語で「セットコレクション」と言います。
カードには5色あり、それぞれ首1個と2個のカードがあります。また好きな色として扱える馬車カードもあります。

これらを集めて得点化して、効率よく点数を稼ぐことを狙います。また得点化したカードが点数にならないこともあります。もっとも効率的に首を集めた人がゲームの勝者です!

気分は悪魔城ドラ〇ュラ!(画像は無関係です)
準備
まず「場所カード」6枚をテーブル中央に広げます。ここが各カードの捨て場になります。ここに首1つのカードを1枚ずつ置きます。

各プレイヤーに4枚ずつヴァンパイアカードを配ります。手札は非公開です。他の人に見せてはいけません。残ったカードは裏向きにして、山札として管理します。これで準備完了です!

ルール説明
適当な方法でスタートプレイヤーを決めます。手番を時計回りに行って良きます。
手番の流れ
選択肢は2つあります。
- 山札から2枚引く。その後1枚捨てるか、ヴァンパイア退治(後述)を行う。
- 場所カードのカードを取り、ヴァンパイア退治を必ず行う。
ヴァンパイア退治は、1は任意で2は必ずなんですね。
山札からカードを2枚引く
単純に山札からカードを2枚引きます。その後以下の2つのうちどちらかを行う必要があります。
- カードを1枚選び、場所カードに対応する場所に表向きに捨てる
- ヴァンパイア退治を行う
ヴァンパイアカードを捨てる場合は、捨てるカードと同じ色の場所カードのところに捨てます。カードは表向きに捨てられ、合計の首の個数が分かるように捨てられます。ヴァンパイア退治については後述します。

ヴァンパイア退治はあとでまとめて説明しますね!
馬車カードを捨てたいのであれば、どこに捨てても構いません。好きな場所カードのところに捨ててください。
場所カードのカードを取る
場所カードを1つ選び、そこに捨てられているカードを全て手札に加えます。要は捨てられているカード1種類を、全部手札に加えます。このあと後述のヴァンパイア退治を必ずします。

「一か所にたむろする奴らをまとめて狩る!」イメージですね。強力なアクションですよ。
もう1つの選択肢が手札が1枚しか増えないのに対し、このアクションでは2~4枚ぐらい手札が増えます。強力な分、リスクとして「ヴァンパイア退治」を必ず行う必要があると僕は思っています。
ヴァンパイア退治!
ヴァンパイア退治は手札のカード、および捨て札のカードを得点化するアクションです。これを行うことで初めて点数になります。
山から引いた場合は任意で、場所カードのカードを取った時は必須で行います。やり方は単純です。以下のルールに従います。
- 退治したい色のヴァンパイアが、最低3枚以上必要(首3つではダメ)
- 1色のカードを好きな枚数だけ、表向きにして自分の前に置きます。
- 1手番で退治できるヴァンパイアは1色だけです。
- 馬車カードはどの色としても扱えます。
- 馬車のみの退治はダメです。最低1枚は色付きカードを入れてください!

誰が退治した組み合わせかわかるよう、退治した人の近くにおいて管理してね。
大事なルール:後から付け足しはできない
すでに退治した色と同じ色のヴァンパイアを退治したい時があります。その時は、過去に公開したセットを箱に戻して、新たに別のセットで始める必要があります。
要は後から付け足しができないのです。一度公開した色は基本的に「要らないカード」になりやすいので、よくタイミングを考えて退治を行う必要があります。

やってみると分かりますが、このタイミングはかなり難しいです。
ゲームの終了
以下の2つの条件のどちらかを満たせば、条件を満たした手番を完了したところでゲームは終了します。
- 山札の最後のカードが引かれた
- 誰かが6色全てのヴァンパイアを退治した

得点計算
きわめて単純です。退治した首の数が点数です。ただし、メチャクチャ大事なルールがあります。
各色の退治数の最小の人は得点にならない!
各色で退治した首の数が最も少ない人は、その色は0点。つまり点数になりません(複数人が該当したら全員0点)。ちなみに0個の人が居ればその人が最小扱いです。

上記の例だと黄色について3人中2人が退治を行いました。黄色はAが0個の最小なのでBとCともに点数(5点、7点)になります。

赤色についてはAとBがともに3個で同数の最小です。この時は該当する全員が点数になりません。Cが6個なのでCだけが6点になります。
この時最小の公開数の人は、計算を分かりやすくするため該当するセットを箱に戻すことをお勧めします。これを残りの4色で同じように計算し、最も点数の高い人が勝ちです。
以上を加味して合計得点(首の数)の多い人が勝ち!
これだけです。きわめてシンプルなカードゲームです。とにかく、悩ましいです。シンプルに分かりやすい悩ましさがあります。
たぶん一度遊べばすぐに理解できると思います。ちなみに何度か遊んで合計スコアを競うのも面白いと思います。
まとめ
- 手番のアクションは、「2枚引く」か「場所カードを1種類全部取る」
- カードを引いたなら、退治か1枚捨てる
- 場所カードから全部取ったら、必ず退治する!
- 馬車は何色にもなりますが、馬車だけセットの公開はできません。
- 退治は最低3枚から!3枚以下の首3つではダメです。
- すでに退治した色の後からの付け足しはできない!
- 6色退治した人が出るか、山札を引き切るとその手番でゲームは終了!
- 各色の最小の退治数の人は、その色は0点扱いです。
- 得点になった首の個数で最多の人が勝者!優れたハンターです!
評価と感想
まずは公平に良いところと悪いところに触れていきます。
- シンプルなルール!
- 悩みどころが非常にわかりやすい!
- 退治をするタイミングが悩ましい!
- 6色を速攻で揃えるか、じっくり貯めるか?悩ましい!
- スキルと運のバランスが良い!万人向けだと思います!
- ゲーム性は万人向きなのに、やたら物騒なテーマなこと
- 日本版、オリジナル版ともにイラストに賛否があること
- ダブル首カードがやはり強い。
- 人数によって最小0点ルールが機能しにくい(5人)
- 人によっては単純すぎると感じるかもなゲーム性
人数ごとのプレイ感の変化
このゲームは人数が多いほど手番の数が少なくなりやすいです。3人と4人で遊びましたが、3人は全員が同じ色を退治することが多かったです。4人以上になると、その可能性は各段に減ります。
3人 | 6色退治で終わりやすい。最も最小0点ルールが厳しく働く。 |
4人 | 終了ルール、0点ルールともに3人と5人の中間ぐらい。ベスト人数! |
5人 | 山札切れで終わりやすい。全員が同じ色を退治するのはまれ。 |
やや厳しいゲームが好きな人は3人も良いでしょう。ゲーマーは3人が一番良いかもしれません。万人向けなのは4人だと思います。
どんな人におすすめ?
ルールの量としては「ちょっと平均より難しいパーティゲーム」ぐらいです。しかし、悩ましさは確実にパーティゲームの領域を超えています。
ちょっと本格的なゲームにトライしてみようかという人向けです。しいてもう少しいうなら、3人以上で集まれる人向けですね。
個人的な感想
セットコレクションというゲーム性を最小のルールで、再現したゲームの1つといっていいでしょう。シンプル・イズ・ベストを地で行くゲーム性といえます。
とにかく何をするにしても悩ましいです!捨てる色選び、場のカードを拾うタイミング、得点にするタイミング。全てが悩ましいです。
作者はジレンマづくりの名手として有名なクニツィアですが、その真髄を味わうことができます。論より証拠、プレイしてみればすぐにわかります!
少し単純すぎるかなとも思いますが、非常に良いゲームだと思います。現状7点を付けていますが、全然伸びる余地があります。
テーマに少し難がありますが、王道ファミリーゲームの傑作として素晴らしい作品です。是非一度プレイしてみてください!
推定プレイ回数 | 5~7回 |
僕のPlay:game点数評価 | 7点/10点(大抵プレイしたいゲーム) |
今後の予測変動幅 | 6点~9点 |
ヴァンパイアを買う!
ボードゲームは絶版になる周期がとても短い商品です。本作も絶版になる気配が結構漂っています。いくつか定価で流通しているので、気になっている人は押さえておいて良いと思います。
収益にならないのですが、ヨドバシが一番お勧めです。定価より200円安くて送料も無料です。他2つは収益になりますが、送料がかかるか値段が高いので、個人的にはあまりお勧めしません。

おわりに
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